起立性調節障害の子どもを見守る親の心構え|保護者が知っておきたい接し方

「また今日も朝、起きられなかった」
「学校に行けない日が続いている」
——そんな状況に、胸を痛めている保護者は少なくありません。

起立性調節障害で学校を休みがちになっているお子さまを見守る親御さんは、どう接すればよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。

お子さまのつらそうな様子を見ながら、どう声をかければいいのか、どこまで休ませればいいのか、先が見えない不安の中で、毎朝を迎えていることと思います。

この記事では、起立性調節障害について、漢方の視点もまじえながら、親御さんに知っておいていただきたいことをお伝えします。
まず最初にお伝えしたいのは、「あなたのお子さんは、決して怠けているわけではない」ということです。


朝起きられないのは怠けではない

起立性調節障害は、自律神経の働きが乱れることで起こる、体の不調です。

健康な状態であれば、朝に目が覚めると自律神経が自動的に切り替わり、血圧や心拍数が調整されて、スムーズに体を起こすことができます。
しかし起立性調節障害のお子さまは、この切り替えがうまくいかず、立ち上がるときに脳への血流が一時的に低下してしまいます。

その結果として、朝になっても体が動かない、立ち上がるとめまいや吐き気がする、午前中は特に体がつらい、といった症状があらわれます。

これは「気合いが足りない」のではなく、体の仕組みとして起きていることです。
本人がいちばんつらい思いをしています。
「なぜ起きられないのかわからない」「学校に行きたいのに体が言うことをきかない」と、お子さま自身も混乱していることが多いのです。

親御さんがまず「これは体の病気なんだ」と理解してくださることが、お子さんにとっての大きな安心につながります。

起立性調節障害の原因や漢方による治療については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▶ 起立性調節障害に効く漢方とは?朝起きられない子どもの体質改善

親がついやってしまいがちなNG対応

わが子を思うからこそ、つい取ってしまいがちな対応があります。
でもそれが、お子さんをさらに追い詰めてしまうこともあります。

無理に起こそうとする

「もう○時だよ!」と何度も呼びかけたり、布団をはがしたりすることは、お子さんの体にとって負担になります。
血流が整っていない状態で無理に動かすと、症状が悪化することもあります。

叱ったり、責めたりする

「なんでうちの子だけ」「甘えているだけでしょ」という言葉は、たとえ焦りからくるものでも、お子さんの心を深く傷つけます。
自己肯定感が下がると、回復にも時間がかかりやすくなります。

焦らせる、プレッシャーをかける

「早く学校に戻らないと遅れるよ」「このままでは将来が心配」といった言葉は、お子さんをさらに追い詰めます。
焦りはストレスになり、自律神経の乱れをさらに悪化させることがあります。

きょうだいや他の子と比べる

「○○ちゃんはちゃんと行っているのに」という言葉は、本人もわかっているからこそ、深く刺さります。比較は百害あって一利なしです。

子どもを支えるためにできること

では、親御さんにできることは何でしょうか。特別なことは必要ありません。まずは「安心できる場所」を作ることが最優先です。

家が安心できる場所であること

学校に行けない日も、家でゆったりと過ごせる環境を整えてあげましょう。
「休んでいていい」という空気感が、お子さんの心を守ります。
責めない、急かさない。それだけで、回復への土台ができます。

小さな回復を見守る

「昨日より少し早く起きられた」「今日はリビングまで来られた」
——そんな小さな変化を、ぜひ認めてあげてください。
「よかったね」「それだけで十分だよ」という言葉が、お子さんの自信につながります。

学校や担任の先生と連携する

起立性調節障害は、外見からはわかりにくい病気です。
学校側に正しく理解してもらうことで、無用なプレッシャーを減らすことができます。
診断書や医療機関からの説明資料なども活用しながら、学校と丁寧に連携していきましょう。

家庭でできる生活習慣の整え方

起立性調節障害の回復には、日常生活のリズムを少しずつ整えることが助けになります。
無理のない範囲で、できることから取り入れてみてください。

朝の光を取り入れる

カーテンを少し開けて、自然光を部屋に入れるだけでも、体内時計のリズムを整える助けになります。
「起きなければいけない」ではなく、「光を感じるだけでいい」という軽い気持ちで取り入れてみましょう。

軽い体の動きを取り入れる

激しい運動は逆効果になることもありますが、体を横にしたままできるストレッチや、ゆっくりとした散歩などは、徐々に体を動かすのに役立ちます。
本人のペースを大切にしながら、無理のない範囲で。

睡眠リズムを少しずつ整える

夜更かしは自律神経の乱れを悪化させます。
ゲームやスマホの使用時間を少し見直し、就寝時間を少しずつ前にずらしていくことが助けになります。

漢方からみた起立性調節障害

漢方では、起立性調節障害を「自律神経の乱れ」だけでなく、体全体のバランスの崩れとして捉えます。

漢方の考え方には「気・血・水(き・けつ・すい)」というものがあります。
「気」は体を動かすエネルギー、「血」は体をうるおす血液のようなもの、「水」は体液の循環を表しています。
起立性調節障害のお子さんは、この「気」の流れが滞っていたり、「血」の巡りが弱くなっていることが多いと考えられます。

また、漢方では「体質」を大切にします。
同じ症状でも、その人の体の状態や体質によって、合うお薬が違います。
冷えやすい体質なのか、疲れやすいのか、緊張しやすいのか
——そういった一人ひとりの特徴を見ながら、体質そのものを整えていくのが漢方のアプローチです。

症状を抑えるだけでなく、「根っこから体を立て直す」という考え方が、成長期のお子さんの体に優しく働きかけることが多いとされています。

西洋医学の治療と組み合わせながら、漢方という選択肢を検討されることも、回復の道のひとつです。

焦らず回復を見守ることが大切

起立性調節障害は、「すぐに治る病気」ではありません。
多くの場合、回復には数ヶ月から年単位の時間がかかります。

だからこそ、「早く治さなければ」という焦りが、親御さん自身を追い詰めてしまうことがあります。
完璧に対応しようとしなくて大丈夫です。

大切なのは、長い目で子どもの回復を見守ることです。
波があって当然。
良くなったり、また戻ったりを繰り返しながら、少しずつ前に進んでいきます。
その過程で、お子さんの横に「ただいてくれる人」がいることが、何よりの支えになります。

また、親御さん自身も、一人で抱え込まないでください
心配事があれば、医療機関や相談窓口、同じ経験を持つ保護者のコミュニティなどを積極的に利用してください。
親御さんが心身ともに安定していることが、お子さんの回復にもつながります。

実際に漢方で改善していった起立性調節障害の症例については、こちらの記事でも紹介しています。

▶ 起立性調節障害の漢方症例


おわりに——漢方相談という選択肢

「病院での治療を続けているけれど、なかなか改善しない」
「体質から整えてあげたい」
「副作用が少ない方法で対応したい」
——そのようにお感じの方は、ぜひ一度、漢方の専門家への相談をご検討ください。

漢方薬・紫雲では、お子さんの体質や生活習慣、症状の特徴などをじっくりお聞きしながら、一人ひとりに合った漢方薬をご提案することができます。

起立性調節障害は、正しく向き合えば、必ず回復の道があります。
焦らず、お子さんのペースを大切にしながら、一歩ずつ進んでいきましょう。

どうかご自身も、無理をしすぎないでください。
あなたが今日も子どもに寄り添っていること、それだけで十分です。

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的とするものではありません。症状が気になる場合は、まず医療機関にご相談ください。