なぜ同じ症状でも処方が違うのか——証・体質という考え方

「風邪ですね。はい、葛根湯」——でも、それで本当に合っていますか?

漢方では、同じ「風邪」でも処方が人によって異なります。
なぜなのか。その答えは2000年前の古典と、「あなただけのパズル」にありました。

傷寒論という2000年前の地図

漢方には「傷寒論」という古典があります。
今から2000年前に書かれたこの書物には、人間の体にウィルスなどの邪気が入ってきたとき、体にどのような変化が起きるかが、短い条文で記されています。

たとえば——
「うなじから背中にかけてこわばり、汗が出ず、風に当たると寒気がするもの」。
これが葛根湯の条文です。落語にもなるほど、日本人には葛根湯が合う方が非常に多いのですが、それはこの「うなじから背中がこわばるけど、汗はかいてなく、寒気がする」という状態と一致する方が多いからです。

傷寒論には「この後こういう変化があった場合は、次はこの薬方」という展開まで書かれています。
私たちはこの古典を「地図」として使いながら、目の前の患者様がどの地点にいるのかを判断していきます。

薬方決定のプロセス——4つのステップ

①問診(もんしん)
「いつから?」「熱は?」「肩は凝る?」「咳は?鼻水は?」——言葉で直接お聞きします。

②望診(ぼうしん)
目で観ることです。元気がなさそうか、顔が赤いか青いか。舌の状態も望診のひとつです。

③糸練功(気功)による経絡チェック(脈診の代わり)
人間の体には12本の経絡(気の通り道)があると考えられています。
脈診の代わりに、どの経絡に異常があるかを気功で確認していきます。

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④気功による腹診チェック
気・血・水のバランスの乱れは、お腹の特定のポイントに反応として現れます。
また、生薬や薬方ごとに固有の反応ポイントがあることも文献からわかっており、それを気功で確認していきます。

証とは——パズルがハマる瞬間

問診・望診・気功によるチェック——これらは、すべて「ピース」です。

集めたピースが、その患者様ご自身という「パズルの枠」にぴったりとハマった瞬間、そこに浮かび上がるものが「証(しょう)」——その方に合う薬方です。

この力は、知識・経験・感覚のすべてが必要です。
ただ、傷寒論などの古典をしっかり学べば、ある程度誰でもたどり着けるもの。
そこに経験が加わると確信に変わり、感覚が磨かれると「次の展開」まで見通せるようになっていきます。

▶ 漢方の改善に時間がかかる理由を、正直にお話しします

あなたへのメッセージ

東洋医学は「体表解剖学」です。
つまり、体の表面や気に現れる反応からお身体の内側を読み取る学問です。
あなたのお身体や気は、あなただけにしかない組み合わせの反応を発しています。
私たちはそれを読み取り、あなただけのオーダーメイドの整え方をおこなっています。

画一的な治療で改善が見られない方、お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。