朝、カーテンの向こうに光が差しても、体が動かない
目が覚めても、起き上がれない。
頭が痛い。お腹も痛い。
布団の中でじっとしていると、
だんだん朝が過ぎていく——
そんな毎日が、もう4ヶ月続いていました。
ご相談にいらしたのは、中学生のお嬢さんとそのお母様です。
起立性調節障害の典型症状が重なっていた
毎日のように繰り返す頭痛と腹痛。
朝から夕方近くまで続く、体のだるさ。
夕方になるとようやく体が動き出し、
夜には比較的元気になる。
でも今度は眠れない。
布団に入るのは10時半頃でも、
眠れるのは深夜2時を過ぎることも。
背中と腰の重さは、振り返れば3年前から。
乾燥した肌に、なかなか治らない引っ掻き傷。
女の子同士の人間関係の疲れ。
人が多い場所への苦手意識。
それでも「料理は好きで楽しい」と、
そう話してくれました。
検査では「異常なし」——でも、しんどいのは本当のこと
まず脳神経外科でMRIを受けました。
異常は見つかりませんでした。
その後、小児科で
「起立性調節障害だろう」と診断を受けます。
生活習慣の指導を受け、
頭痛がひどいときのアセトアミノフェンが処方されました。
肌については皮膚科で保湿剤・軟膏・抗アレルギー薬を処方。
改善の兆しは見えるものの、
かゆくて掻いてしまうとまた振り出しに戻る繰り返しでした。
「検査では何も出ないけれど、
つらいのは確かで……」
お母様はそうおっしゃっていました。
気功チェックでわかった、疲れ切った体の土台
当薬局では、漢方薬の選薬にあたって
糸練功(しれんこう)という気功を用いた体質チェックを行っています。
体の反応を丁寧に確認しながら、
どこに負担がかかっているかを読み取っていきます。
このお嬢さんの場合、
気の巡りの乱れと、皮膚に関わる反応が確認されました。
そしてその根本には——
自然に回復しようとする力そのものが、疲弊している状態が見えていました。
体の表面だけでなく、
土台から整える必要がありました。
このタイプの起立性調節障害のご相談では、
『朝起きられない』だけでなく、
皮膚や消化器の弱りがセットで出ていることが少なくありません。
もう一つ気になったのは、
お菓子やジュースを毎日のように摂っていること。
糖質の摂り過ぎは自律神経の乱れと関係することがあります。
無理にゼロにする必要はありませんが、
『毎日』から『ときどき』へと緩やかに変えていくことを目標にしました。
漢方を始めてからの経過
〈1ヶ月後〉
お母様には「上向いている気がする」という変化が見えていました。
ご本人はまだ実感が持てない様子。
それでも、おやつが少し減り、ジュースをやめることができました。
〈2ヶ月後〉
朝8時に起きていられるように。
「朝、カーテンを開けて日光を浴びてみましょう」とお伝えしました。
体内時計を少しずつ整えるために。
〈3ヶ月後〉“午後から登校”という一歩
お菓子は週2〜3回まで減りました。
そして——地域の学校に行ける日が出てきました。
午後からの登校でしたが、確かな変化でした。
〈4ヶ月後〉
朝の早起きができるように。
頭痛も落ち着いてきました。
週3日は別室登校、残りはフリースクールへ。
自分のペースが、少しずつ戻り始めていました。
〈6ヶ月後〉みんなと同じ教室へ
フリースクールではなく、
地域の学校にみんなと一緒に通えるようになりました。
〈9ヶ月後〉
体調が安定してきたため、漢方薬の減量を開始。
飲み続けるのではなく、自分の力で動けるようになることが目標です。
〈1年後〉
錠剤のみ、1粒——
それでも体調は順調に保たれていました。
薬の力を借りて立て直した体が、
今度は自分の力で動き始めていました。
〈1年2ヶ月後〉
体調が十分に回復したと判断し、卒業となりました。
朝、自分の足で起き上がれる毎日へ
布団の中で時間が過ぎていくのを
ただ感じていた日々から——
学校に通い、自分のペースで 生活を取り戻すまで、1年2ヶ月。
体の土台が整うにつれ、
気力も、行動範囲も、少しずつ広がっていきました。
起立性調節障害や不登校のご相談では、
『学校に行けるかどうか』だけでなく、
お子さん自身のしんどさと、ご家族の不安の両方に寄り添いながら、
体の土台を整えていくことを大切にしています。
お子さんの「朝起きられない」「なんとなくしんどい」に、
検査で答えが出なかったとしても、 漢方の視点から体を見直すことができます。
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じっくりお時間をとってお話をお伺いします。
