40代後半の目元のちりめんジワと更年期のほてり・冷えを漢方で読み解く

40代後半から気になりだした目元のちりめんジワと更年期のからだの変化

40代後半になると、ふとした朝の洗顔のとき、鏡のなかの自分に気づくことがあります。
目の下から上まぶたにかけて、細かいちりめんのような小さなシワが増えてきた、と。
「いつのまに」という感覚です。

しかもそのころから、顔だけじゃなく、体のあちこちで変化を感じ始める方が少なくありません。
顔はじわっとほてるのに、足先はいつも冷たい。
夕方になると足がむくんでパンパンになる。
朝は少し楽でも、夕方にはぐったり。
そんな「複数のお悩みが同時多発的に起きている」感覚で、戸惑われている方も多いのではないでしょうか。

今回ご紹介するのは、そういった症状が重なり、漢方相談にいらした40代後半の女性の方のお話です。

目元のちりめんジワと更年期のほてり・冷えで「自分に何が合うのか分からない」とき

この方が最初にお話しくださったのは、目元の細かいシワのことでした。
目の下から上まぶたにかけて、ちりめんジワがここ数年で目立つようになってきた、とのことです。
スキンケアにも気をつかっているし、アイクリームも試した。
でも、なんとなく変わらない気がする、と。

それだけでなく、同じ時期から顔のほてりも気になるようになったといいます。
「特に夕方から夜にかけて、顔だけがカーッと熱い感じがするんです。でも足は冷たくて、レッグウォーマーが手放せなくて」と、おっしゃっていました。
上半身と下半身で、まるで別々の体のような感覚があるとのことでした。

足のむくみも長年の悩みで、下肢静脈瘤もあり、夕方には足がだるく重くなる日が続いているそうです。
仕事と家事でとにかく毎日忙しく、疲れが翌日まで残ることも増えてきた、とのことでした。

「市販の漢方も試したことがあるんですが、なんとなく体に合わない感じがして続かなくて。ピルも処方してもらったけど、気持ちが悪くなってやめてしまったんです。何が自分に合うのか分からなくなってきて」

そんな言葉が、印象的でした。
いろいろ試してみたけれど、どれもしっくりこなかった。
自分のからだに何が起きているのか、正直よく分からない、という不安感が伝わってきました。

更年期世代のシワとほてり・冷えを、漢方の「証」と気血水で読み解く

漢方では、症状をひとつひとつバラバラに見るのではなく、今のからだ全体の状態を「証(しょう)」としてまとめて考えます。
「証」とは、体力・体質の傾き(虚・実)、冷えと熱のバランス、気・血・水の流れの状態などを含めた、その方固有の「今のからだの地図」のようなものです。

この方には、睡眠の質や食事の内容、お通じの状態、仕事やストレスの状況なども丁寧にお伺いしました。
毎日忙しく、休む間もなく動いている。
食事は簡単に済ませることが多い。
夜はなかなか眠れないこともある。
そういった生活の背景も、証を読み解くうえで大切な情報になります。

糸練功でお身体の状態を読み解いていくと、この方は、「虚(きょ)」を土台にしながら、気・血・水のバランスが複合的に乱れている状態と考えました。

少し補足させてください。

「虚」とは、からだの土台となる力が弱っている状態のことをいいます。
疲れやすい、回復が遅い、エネルギーが続かない、そういった状態のベースにあるものです。

「気(き)」はエネルギーそのもの、「血(けつ)」は血の巡りと栄養、「水(すい)」は体内の水分の流れを表します。

この方の場合、次のような乱れが重なって見られました。

  • 気の弱り(気虚)
    疲れやすく、夕方にぐったりしやすい。エネルギーが1日もたない感じがある。
  • 血の不足と滞り(血虚・瘀血)
    肌の乾き、目元のちりめんジワ、下肢静脈瘤や足の重だるさ。血がじゅうぶんに巡っていないサインとして捉えました。
  • 水の偏り(水滞)
    夕方に足がむくんでパンパンになる。余分な水分がうまくさばけていない状態です。
  • 陰陽バランスの乱れ(上熱下寒)
    顔はほてるのに、手足は冷える。
    これは上半身に熱がのぼり、下半身が冷えるという、陰と陽のバランスが崩れた状態の一つと考えました。

目元のちりめんジワは、単なる肌の乾燥というよりも、「血」と「水」の不足や偏りが肌の表面にも出ている状態と読みました。
肌に栄養と潤いを届ける力が、全体的に落ちているイメージです。

虚を建て直す粉薬と巡りを整える錠剤で、からだの土台から整える漢方ケア

この方のご提案は、「虚の建て直し」を最優先にしながら、表に出ている症状にも同時にアプローチする、二段構えの組み立てにしました。

まず、粉薬で「気と血を補い、からだの土台を整える」ことを中心に。
疲れやすさ、冷えやすさ、肌の乾き、回復力の低さ、そういった「虚の状態」を支えるイメージです。
からだのベースアップを図ることが、遠回りなようで実は近道だと考えています。
市販の漢方では難しい、体質に合わせた分量で調合できるのが、煎じ薬や調合粉薬の強みです。

そして、錠剤で「血の巡りを整え、余分な水をさばき、上下のバランスを整える」サポートを。
足の血の滞りやむくみ、下肢の重だるさ、顔のほてりと足の冷えのアンバランスといった、表に出ているお悩みへのアプローチです。

粉薬で土台を整えながら、錠剤で巡りと水の流れを整える。
この二段構えで、からだ全体が少しずつ方向を変えていくことを目指しました。

体調の変化を見ながら調整していくことも、最初にお伝えしました。
また、漢方薬と並行して、足首やお腹を冷やさないこと、できれば毎日少しでも湯船につかること、仕事の合間に足を動かす軽い運動を取り入れることなども、一緒にお伝えしました。
「完璧にやらなくていい。できるところから少しずつで十分です」とお話しました。

1か月の漢方ケアで「なんとなく、肌の調子がいい気がする」に変わるまで

1か月ほどたったころ、「最近、朝の洗顔のとき、肌がやわらかくなった気がして」とおっしゃってくださいました。

メイクのとき、目元の細かいシワがほんの少し気にならなくなった「気がする」とのこと。
「気がする」という言葉を大切にしてほしいと思います。
「劇的に変わった」ではなく、「なんとなく、前と違う気がする」という感覚の変化が、体質改善のプロセスでは実はとても大切なサインです。

また、夕方の足の重さが、少し楽になってきたとも教えてくださいました。
以前は夕方になるとぱんぱんに張った感じがあったのが、この頃は「まあ、がまんできるくらい」になってきたそうです。

「若返る」とか「シワがなくなる」という変化ではありません。
でも、「毎日のしんどさが少し軽くなって、朝の肌のコンディションが前よりいいかな」というリアルな感覚の変化。
それが今、じわじわと始まっているところです。
引き続き、体調を見ながら調整を続けていく予定です。

更年期前後の肌と体の変化を、気血水・陰陽で読み解く

40代後半から50代にかけては、女性ホルモンの変化がからだ全体に影響し、気・血・水や陰陽のバランスが乱れやすい時期です。

シワ、ほてり、冷え、むくみ、疲れやすさ。
これらは一見バラバラに見えますが、漢方的に見ると「同じ根っこ」から来ていることが多くあります。
だからこそ、症状ごとに対処するのではなく、からだ全体のバランスを整えることを軸にしていきます。

肌だけを見るのではなく、からだ全体が整ってくることで、結果として肌のコンディションにも変化が出る方がいらっしゃいます。

そのためには、今のご自身の「証」をきちんと読み解くことが大切です。
市販の漢方が合わなかった方も、体質に合った処方を丁寧に選ぶことで、感じ方が変わってくることがあります。

40代後半の目元のシワと更年期のほてり・冷えでお悩みの方へ

目元の細かいシワ、顔のほてり、手足の冷え、むくみ。
そのどれかひとつだけでも悩ましいのに、それが重なっているとき、「自分はいったいどうしたらいいんだろう」という気持ちになるのは、とても自然なことだと思います。

今回ご紹介したのは、あくまで一つの例です。
同じような症状であっても、証は人によって異なります。結果にも個人差があります。

「どれを飲んでも合わなかった」という方も、ぜひ一度、体質や証を含めてご相談ください。
LINEからお気軽に症状をお知らせいただくだけで大丈夫です。
長年のお悩みでも、どこに行っても改善しなかった経緯があっても、遠慮なくお聞かせください。
全国からのオンライン相談・漢方薬の配送にも対応しています。

他の肌トラブルと漢方の考え方も知りたい方へ

「シワのことだけでなく、肌全体を体質から見直してみたい」と感じた方は、肌トラブル全般と漢方の考え方をまとめたページもご用意しています。
アトピー・蕁麻疹・ニキビ・肌荒れ・シワ・たるみなど、それぞれの悩みに共通する“からだのサイン”について解説しています。

この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。