口臭・ガス・下痢・胃痛は「油」と胆汁の流れがカギかもしれません|IBSとの関わりも

口臭やガス、下痢・胃痛・腹痛が続いているのに、「検査ではとくに大きな異常はありません」と言われて戸惑っている方は少なくありません。
その背景には、検査には映りにくい「油の処理のくせ」や「胆汁の流れ方の偏り」といった体質の問題が隠れていることがあります。
この記事では、口臭・ガス・胃痛・腹痛と胆汁の関係、ストレスとの結びつき、過敏性腸症候群(IBS)との関わり、そして漢方の視点からできる整え方についてお話しします。

目次

口臭・ガス・胃痛・腹痛が続くときにまずチェックしたいこと

「最近、胃腸の調子が悪くて……」という相談が、当薬局にもよく届きます。
ただ、少し詳しくお話をうかがうと、「胃がもたれる・胃が痛い・お腹が痛い」だけでなく、口臭が気になる、おならがとにかく臭い、軟便や下痢がなかなか治まらないといった具合に、いくつもの症状がセットで出ていることが少なくありません。

それぞれはバラバラな「困りごと」に見えるかもしれません。
ですが、実はこうした症状の多くは、根っこのところに共通した「体質的な背景」を持っていることがよくあります。

まず、次のリストを見てください。いくつ当てはまりますか?

  • 食後しばらくすると、胃が重くなる・みぞおちが張る
  • 油っこいものを食べたりお酒を飲んだ翌日、必ずといっていいほど下痢か軟便になる
  • おならがよく出る、あるいは臭いが強い
  • 自分でも口臭が気になる。とくに朝起きたときに感じやすい
  • 右わき腹のあたりが、食後にじわっと重くなる感じがある
  • 揚げ物や肉料理を食べると、胃がしんどくなる
  • 便が泥っぽい・臭いが強い
  • 食欲はあるのに、食べると疲れる感じがする

2〜3個以上当てはまるようなら、「脂を処理する力」と「胆汁の流れ」に、何らかの負荷がかかっているサインかもしれません。

検査を受けても「とくに異常なし」と言われることも、こういったケースでは珍しくありません。
けれども、「異常なし=何もない」という意味ではなく、「まだ病気の段階ではないが、からだが出しているサインは確かにある」というのが、漢方での見方です。

この記事では、こうした症状がなぜ一緒に出てくるのか、どんな体質的な傾向が隠れているのかを、できるだけ分かりやすく整理していきます。
「自分はどのタイプなのか」「何を変えれば楽になりそうか」を考えるヒントとして、読み進めていただければ幸いです。

口臭やガス・下痢・胃痛の共通点は「脂の処理」と「胆汁の流れ」

口臭・おなら・下痢・胃もたれ。
これらが一緒に出やすいのには、理由があります。
食べた脂(あぶら)を消化するとき、からだは「胆汁(たんじゅう)」という消化液を使います
胆汁は肝臓でつくられ、胆のうに蓄えられ、食事のたびに十二指腸へ流れ出て、脂を細かく乳化する役割を担います。
いわば「脂専用の洗剤」のようなものです。

この胆汁の流れがスムーズであれば、脂はきちんと分解・吸収されます。
ところが、胆汁の量が不足していたり、流れがとどこおりやすい体質だったりすると、処理しきれなかった脂が腸内に残ります。
すると、腸内のバランスが乱れ、異常発酵が起きやすくなり、臭いのきついガスや軟便、口臭、胃の不快感などが連鎖的に生じてくるのです。

つまり、「胆汁の流れ」と「脂を処理する力」は、これらの症状すべての共通の土台になっています。

戦前の日本人は、ほとんど油を食べていなかった

ここで少し、日本人と油の歴史を振り返ってみます。

1910年代ごろの日本人の油脂摂取量は、1人1日あたり約1.3グラム程度だったとされています。
当時の食卓はほとんどが「米・野菜・大豆・魚」中心で、揚げ物も炒め物もほとんど登場しない食生活でした。

それが戦後の経済成長とともに大きく変わります。
外食産業が広がり、加工食品が増え、洋食文化が普及するにつれて油脂の摂取量は急増しました。
2010年ごろには1人1日あたり約36.9グラム前後という調査データがあり、わずか数十年の間に約30倍近い水準に達したことになります。

「ほぼ油なし」の食卓から、「一日中どこかで油をとっている」食卓へ。
これは歴史的に見ると、ほんの一世代から二世代の間に起きた、きわめて急激な変化です。

問題は、私たちのからだ──とくに胆汁の分泌能力や胃腸の処理能力──が、食環境と同じペースでは変化できないことです。
消化器官の基本的な性能は、何百年もかけてゆっくり適応するものです。
「昔仕様のからだ」のまま、「現代仕様の油の量と質」を毎日処理しようとしている。
そのギャップの中で、脂の処理が追いつかない体質の人が目立ちやすくなっている、というのが現代の胃腸トラブルの背景のひとつだと考えられます。

揚げ物を食べるたびに具合が悪くなる、脂っこいものが年々きつくなってきた。

そんな感覚がある方は、この「処理オーバー」のサインを、からだが出しているのかもしれません

-先生のホンネ-
焼肉・ラーメン・アルコール、どれも僕は大好きです。だっておいしいですもんね。
「一生食べるな」と言われたら、本当にイヤです。

ただ、油・脂の量が増えて、からだにサインが出ているのも紛れもない事実です。
だからこそ、「食べ方をアップデート」していきましょう。

「10年後もおいしく食べる」ことができるように。
「どれくらい食べるか」「どのように食べるか」「そのうえでからだとどう付き合うか」を、お一人おひとりと一緒に考えていきます。

好きなものを、上手に楽しむ。
先人が積み重ねてきた東洋医学の知恵をうまく使って。
それが、僕の目指すところです。

なぜ同じものを食べても、人によって症状が違うのか

同じ食事をとっても、すぐお腹を壊す人もいれば、まったく平気な人もいます。
家族で同じ鍋を囲んでいるのに、翌朝「下痢した」のは自分だけ、ということも珍しくありません。

これは意志の強さや気のせいではなく、「脂を処理する力」の個人差によるものです。

漢方では、こうした個人差を「体質」という言葉で整理します。
生まれつきの要素もあれば、長年の生活習慣や疲労・ストレスの積み重ねによって後天的につくられてきた要素もあります。
体質とは、その人のからだの「得意・不得意のくせ」のようなものだと考えると分かりやすいかもしれません。

脂の処理という観点で見ると、大きく3つの方向性の体質的な弱さが関わっています。

ひとつは、肝臓や胆のうのはたらきが滞りやすく、胆汁の流れが悪くなりやすいタイプです。
ストレスや疲労が重なると、特に症状が出やすくなる傾向があります。
「肝胆の経絡」にトラブルが起こっている状態です。

もうひとつは、もともと胃腸の力が弱く、食べたものを消化・吸収する力自体が低いタイプです。
油っこいものに限らず、全体的に胃腸への負担が蓄積しやすいタイプで、漢方では「脾虚(ひきょ)」と呼ばれる体質に近い状態です。

そして3つ目は、からだに余分な水分が溜まりやすく、腸の中でガスや軟便が生じやすいタイプです。
むくみやすい、雨の日に体調が崩れやすい、といった方に重なることが多く、「水毒(すいどく)」と呼ばれる状態が背景にあることがあります。

この3つは、どれかひとつだけ、ということは少なく、2つ・3つが重なっているケースがほとんどです。
たとえば「ストレスで胆汁の流れが悪い+もともと胃腸が弱い」という人は、油ものを食べると下痢と胃もたれが同時に出やすくなります。
「胃腸が弱い+水が溜まりやすい」という人は、軟便・ガス・むくみが慢性的にセットで続くことがあります。

次のセクションでは、自分がどのタイプに近いかを確認するためのセルフチェックをご紹介します。
あくまで傾向を知るための目安ですが、「自分のからだのくせ」を知る最初の一歩として使ってみてください。

脂の処理が弱い体質かどうかを3つのチェックで確かめる

以下の3つのチェックリストは、「脂の処理が弱くなりやすい体質の傾向」を自分で確認するための目安です。
医療的な診断ではありません。
また、複数のタイプに同時に当てはまることも多くあります。
まずは正直に、気軽にチェックしてみてください。

タイプA|肝胆経のトラブル寄り(脂×ストレス型)

  • 油っこいものや飲酒で、右わき腹〜みぞおちのあたりが重くなる
  • ストレスや疲れが続くと、決まって胃腸の調子が悪くなる
  • 口の中が苦く感じることがある(特に朝・空腹時)
  • げっぷが多い、あるいは食後に吐き気を感じることがある
  • 便が泥っぽい・臭いが強い
  • 検査で「胆泥」「胆砂」「胆石」と言われたことがある

3つ以上当てはまる方は、肝胆経のトラブル寄りの傾向が強いかもしれません。

タイプB|脾虚寄り(胃腸虚弱型)

  • もともと胃腸が弱く、少し食べすぎるだけでもたれる
  • 食後に眠くなる、だるくなることが多い
  • 食欲にムラがある。食べたくない日と、食べすぎてしまう日が交互に来る
  • 冷たいものを飲食すると、すぐお腹に響く
  • 疲れが抜けにくく、胃腸の不調と疲労感がいつもセットで出る
  • 軟便・下痢が慢性的に続いていて、「体質だから」とあきらめている

3つ以上当てはまる方は、脾虚(胃腸虚弱)寄りの傾向が強いかもしれません。

タイプC|水毒寄り(余分な水とガス型)

  • おならの回数が多い、あるいは臭いが強い
  • お腹がよく張る・ぽこぽこ音がする
  • 朝起きると顔や手足がむくんでいることが多い
  • 雨の日や低気圧のときに、体調や胃腸の調子が崩れやすい
  • 水をよく飲むのに、口の渇きがとれない感じがある
  • 便が水っぽい・泡立っている・形がないことが多い

3つ以上当てはまる方は、水毒(余分な水とガス)寄りの傾向が強いかもしれません。

繰り返しになりますが、このチェックリストは体質の傾向を知るための目安であり、病気の診断ではありません。
タイプAとBの両方に当てはまる、3つすべてに当てはまる、という方も珍しくありません。
複数のタイプが重なっているほど、脂の処理全体に複合的な負荷がかかっている状態と考えられます。

自分のタイプがおおよそつかめたら、次のセクションでそれぞれの傾向をもう少し深掘りしていきます。
「なぜ自分にはこの症状が出やすいのか」が、より具体的にイメージできるようになるはずです。

3つの体質タイプ別に起こりやすい症状と整え方の方向性

チェックリストで傾向がつかめたら、次は「そのタイプのからだで何が起きているのか」を少し深掘りしてみます。
症状の背景が見えてくると、「何を減らして、何を補えばいいのか」という養生の方向性も自然に見えてきます。

肝胆経絡のトラブル寄りの人に起こりやすいこと

このタイプの方は、胆汁の流れが滞りやすい体質を持っていることが多いです。

胆汁はストレスや疲労の影響を受けやすく、精神的な緊張が続くと分泌や流れが乱れやすくなります。
胆汁の流れが悪くなると、脂の消化が不十分になるだけでなく、胆のうの中で胆汁が濃縮・停滞し、胆泥や胆砂と呼ばれる状態になることがあります(これは医師の検査ではじめてわかるものですが、自覚症状として右わき腹の重さや食後の不快感として現れることがあります)。

口の苦みやげっぷが出やすいのも、このタイプの特徴のひとつです。
胆汁の成分が逆流気味になると、口腔内に苦みとして感じられることがあります。

養生の方向性としては、「胆汁の流れを助ける食習慣」と「ストレスの負荷を減らすこと」が中心になります。
脂の多い食事を控えることはもちろんですが、食事の時間が不規則だと胆汁の分泌リズムも乱れやすいため、できるだけ食事のタイミングを一定に保つことも助けになります。
また、このタイプは怒り・緊張・焦りといった感情が症状に直結しやすいため、からだだけでなく気持ちの緊張を解くことも養生のひとつです。

脾虚(胃腸虚弱)寄りの人に起こりやすいこと

このタイプの方は、そもそも消化・吸収する力の「総量」が少ない体質です。

健康な状態であれば問題なく処理できる量の食事でも、脾虚の傾向がある方には負担になることがあります。
特に脂は消化にエネルギーを要するため、胃腸の力が弱い人ほど、脂の処理が「後回し」になりやすいのです。
処理しきれなかった脂や未消化物が腸に届くと、軟便・下痢・ガスの原因になります。

このタイプの方に多いのが、「食後の強い眠気・だるさ」です。
消化にエネルギーを取られすぎて、食後に全身の力が抜けるような感覚になります。
「食べるたびに疲れる」という感覚は、胃腸の力の低下を示すサインのひとつと考えられます。

養生の方向性は、「胃腸に負担をかけない食べ方」と「消化力を底上げすること」です。
一度にたくさん食べない、冷たいものを控える、よく噛む——こうした基本的なことが、このタイプには特に効いてきます。
また、「胃腸を休ませる時間をつくる」ことも大切で、間食を減らし、消化管が空になる時間を意識的に設けるだけで、慢性的な軟便が落ち着いてくることもあります。

水毒(余分な水とガス)寄りの人に起こりやすいこと

このタイプの方は、からだの中で水分の代謝がうまく回りにくい体質です。

飲んだ水や食事から取り込んだ水分が、うまく全身に巡らず、腸や皮下・関節などに「よどんで」溜まりやすい傾向があります。
腸に余分な水が溜まると、便が水っぽくなりやすく、ガスも発生しやすくなります。
「お腹がいつもぽこぽこ鳴っている」「ガスが多いのに便はゆるい」という方は、このタイプの傾向が強いことが多いです。

また、このタイプは気圧や気温・湿度の変化に敏感で、雨の前日から体調が崩れたり、梅雨の時期だけ胃腸の調子が特に悪くなったりすることがあります。
「天気と胃腸が連動している」という感覚がある方は、水毒の傾向を疑ってみてください。

養生の方向性は、「水分の巡りを助けること」と「余分な水を溜め込まない生活習慣」です。
大量の水分を摂ることを控えます。特に、冷たい飲み物・生ものの摂りすぎを減らし、温かいものでからだを内側から動かすイメージが合っています。
軽い運動や入浴で汗をかくことも、水の巡りを助ける手段のひとつです。

油の質と食べ方で、口臭・ガス・下痢・胃痛への負担は大きく変わる

「油を減らせばいい」というのは、半分正解で半分不十分です。
油にも種類があり、からだへの負担のかかり方がまったく異なります。
闇雲に油を抜くのではなく、「どの油を減らし、どの油を残すか」を知っておくことが、胃腸と胆汁への負担を減らすうえで大切な視点です。

負担が大きくなりやすい油の摂り方

まず見直したいのが、酸化した油・加熱を繰り返した油です。
揚げ物屋さんや飲食店で繰り返し使われた油、袋を開けてから時間の経ったポテトチップスやスナック菓子、古くなったサラダ油──こうした油は酸化が進んでいて、胃腸や肝臓への負担が通常より大きくなります。
「揚げたて」と「揚げ置き・二度揚げ」では、からだへの影響がかなり違うと考えてください。

次に、トランス脂肪酸を多く含む食品も注意が必要です。
マーガリン・ショートニングを使ったパン・洋菓子・ファストフードなどに多く含まれており、消化器への負担だけでなく、胆汁の組成にも影響するという見方があります。

また、脂の多い食事を「まとめて一度に」食べることも、胆汁への負担を集中させます。
脂を食べるたびに胆のうは収縮して胆汁を送り出しますが、大量の脂が一度に届くと、その収縮が強くなりすぎて、右わき腹の重さや不快感につながることがあります。

からだへの負担が比較的少ない油

一方で、えごま油・亜麻仁油・青魚の脂(EPA・DHA)などに含まれるオメガ3系の油は、炎症を抑える方向にはたらき、胆汁の流れを助ける可能性があるとされています。
ただし、えごま油・亜麻仁油は熱に弱いため、加熱せずに使うことが前提ですし、どんな油でも摂り過ぎればカロリーオーバーになります。

また、オリーブオイル(特にエクストラバージン)は、胆のうの収縮を適度に促す作用があるとされており、適量であれば胆汁の流れを助ける食品として位置づけられています。
いわゆる地中海式の食事が消化器に比較的やさしいとされる理由のひとつが、ここにあります。

「食べ方」も油の負担を左右する

同じ油でも、食べる順番・食べる速さ・食べる量の分散で、胃腸への負担はかなり変わります。

野菜やたんぱく質を先に食べてから脂を摂ると、消化の速度が緩やかになり、胆汁の一度あたりの負荷が下がります。
また、よく噛んでゆっくり食べることは、胃での前処理をていねいにすることになり、胆汁への「まとめ送り」を防ぐことにつながります。

油を完全に絶つ必要はありません。
質を選び、量を分散させ、食べ方をていねいにする──この3点を意識するだけでも、胃腸と胆汁の負担は着実に軽くなっていきます。

油の後片付けをしてくれる食物繊維

「油の後片付けをしてくれる食物繊維を増やす」ことも大切です。
魚の脂や少量のオリーブオイルなど、質の良い油を風味付け程度に使いながら、野菜・海藻・きのこ・豆類をしっかり増やすことで、余った胆汁や脂を便として外に出しやすくなり、腸内環境も安定しやすくなります。

食物繊維に関しては別の記事でも詳しく解説していきますね。

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漢方で「脂の処理が弱い体質」をどう整えていくか

食事の見直しや養生で症状が落ち着いてくることもありますが、体質そのものの傾向が強い場合は、なかなか食事だけでは追いつかないこともあります。
そういった方に、漢方という選択肢があります。

漢方では、症状の「名前」で処方を決めるのではなく、その方のからだ全体の状態——体質・体力・冷えや熱の傾向・消化力の強さ——を総合的に見て、処方を組み立てていきます。
同じ「下痢と口臭がある」という症状でも、タイプAの方とタイプBの方では、まったく異なる方向の処方になることがあります。

肝胆経絡のトラブル寄りの方への整え方

このタイプの方には、胆汁の流れを助け、滞りをほぐす方向の薬方を中心に考えます。
ストレスや緊張がからだに影響しやすいタイプでもあるため、気の巡りを整え、精神的な緊張をほぐす生薬を組み合わせることもあります。
脂の処理が少しずつ楽になってくると、口臭・右わき腹の重さ・食後の不快感といった症状が和らいでくるケースがあります。

脾虚(胃腸虚弱)寄りの方への整え方

このタイプの方には、胃腸の力そのものを底上げする方向の薬方が中心になります。
消化力を高め、食べたものをきちんと処理できるからだの状態に近づけていくイメージです。
慢性的な軟便・食後のだるさ・疲れやすさが、胃腸の力の回復とともに少しずつ改善してくる方もいらっしゃいます。

水毒(余分な水とガス)寄りの方への整え方

このタイプの方には、水分の巡りを整え、余分な水を体外に出しやすくする方向の薬方を考えます。
腸内の水のよどみが改善されてくると、ガスの発生が減り、便の形が整い、むくみや天気による体調の波も緩やかになってくることがあります。

煎じ薬と体質の分析について

当薬局では、こうした体質の見立てに糸練功(しれんこう)という氣功分析の技術を用いています。
経絡を流れる氣の微細な反応を通じて、からだの優先的な不調の場所や体質の傾向を確認していく方法で、問診だけでは見えにくい部分を補うことができます。

薬方については、市販の漢方薬よりも、煎じ薬(生薬を組み合わせて煮出して飲むもの)の方が、体質に合わせた細かい調整が可能です。
脂の処理や胆汁の流れに関わる体質は、複数のタイプが絡み合っていることが多いため、ひとりひとりの状態に合わせて生薬の種類と量を調整できる煎じ薬が、より力を発揮しやすいと考えています。

また、漢方の世界には、昔から「砂を流す」「石をやわらげる」ことを期待して用いられてきた生薬もあります。
現代医学のように「胆石を溶かす薬」として確立しているわけではありませんが、脂の処理や胆汁の流れを整えることを目指す中で、体質に応じてこうした生薬を本治部として組み合わせていくことがあります。

実際のご相談でも、この「右側背部の反応」をお持ちの方は多く見られます。
この反応に対して取り組んでいくと、多少油の負荷がかかっても、口臭・おなら・下痢軟便・胃痛といった症状が安定してくるケースが少なくありません。

もちろん、すでに大きな胆石がある場合は消化器科・外科での診察と治療が優先です。
強い右上腹部痛・発熱・黄疸・白っぽい便・体重減少などを伴う場合は、まずは医療機関での受診・検査を優先してください。

漢方は、そうした医療と並行して「からだの環境を整える役割」を担うものとお考えください。

実際の症例:脂と胃腸症状のご相談ではこのような変化があります

長期IBSと油・脂の消化・胆汁のアンバランスに着目した女性の漢方相談例

口臭に対する一症例はコチラからどうぞ

脂っこい食事や飲み会のあとに嘔吐・下痢をくり返す方の症例です

ご相談を検討されている方へ

検査では「とくに大きな異常はありません」と言われたのに、下痢やガス、腹痛、口臭などの不調が続いていると、「このまま様子を見るしかないのかな」と不安やあきらめの気持ちが出てきやすくなります。

そうしたときには、これまでの経過や体質のくせ、食べ方・休み方・ストレスとの付き合い方を一緒に整理してみることで、少しずつでも「動かせるところ」が見えてくることがあります。

当店では、初回のご相談でじっくりお話をうかがいながら、胆汁の流れや脂の処理力といった体質的な特徴をふまえて、今のからだの状態に合った漢方や養生法をご提案しています。
「病院の検査では異常なしだけれど、おなかの不調が続いていてつらい」という方は、お一人で抱え込まずに、まずは一度ご相談ください。

関連リンク

IBS(過敏性腸症候群)でも下痢や軟便が続くことがあります。
IBSについて、詳しく解説しているコチラのページもご覧ください。

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この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。

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漢方治療の症例集