生理前の「止まらない食欲」と甘いもの欲。体質から向き合う漢方相談のご案内

この記事では、「なぜ生理前だけ食欲が乱れやすいのか」というしくみと、漢方の視点から考えるセルフケアについてお伝えします。
PMSで生理前の食欲増加についてお悩みの方に対しての漢方相談も承っております。

目次

  1. 生理前だけ食欲が止まらない…そんなお悩みはありませんか?
  2. なぜ生理前に甘いものや過食が起こりやすいのか
  3. 漢方から見る、生理前の食欲の乱れとPMS
  4. 生理前の食欲と甘いもの欲に向き合う、今日からできるセルフケア
  5. 生理前の食欲を自分だけでコントロールできないと感じたら

生理前だけ食欲が止まらない…PMSによる甘いもの欲でお悩みではありませんか?

「生理前になると、なぜかチョコレートやスナック菓子を食べ始めたら止まらなくなってしまう。」
「夜中にコンビニスイーツをまとめ買いして、翌朝に後悔する。」
「ダイエットを3週間がんばってきたのに、生理前のたった数日でぜんぶ崩れてしまう気がする。」

こうした経験に心当たりはありませんか。

仕事や家事が忙しい時期と生理前が重なると、疲れに気持ちの焦りが加わって、「もうどうでもいい」という気持ちで食べてしまうこともあるかもしれません。
甘いものを一口食べたら止まらなくなり、気づけばいつもの倍の量を食べていた、という経験をされている方も少なくありません。

そして翌朝、「また自分はダメだった」という自己嫌悪がやってくる。

でも、それは意志が弱いからではありません。
生理周期にともなうホルモンの変化と、もともとの体質が深くかかわっていることが多いのです。
自分を責める前に、まずそのしくみを知ることが、大切な一歩になります。

なぜ生理前に甘いものや過食が起こりやすいのか

生理周期とホルモンの変化

月経(生理)が終わってから排卵を経て、次の生理が来るまでの約2週間を「黄体期」と呼びます。
この時期は「プロゲステロン」というホルモンが増えます。
プロゲステロンは妊娠に備えて体に栄養や水分を蓄えようとするホルモンで、体が「もっとエネルギーを取り込もう」という状態になりやすくなります。

その結果として食欲が増したり、甘いものへの欲求が強まったりするのは、体の自然な反応のひとつです。
PMS(月経前症候群)は、この黄体期に起こりやすい心身のさまざまな不調の総称で、食欲の乱れ以外にも、むくみ・胸の張り・眠気・イライラ・気分の落ち込みなどが重なることも多くあります。

つまり、生理前に食欲が増えることは、体の仕組みから起こっている部分が大きいのです。
「あなたが自制心を失ったから」ではなく、体が変化しているから起こっていることだと、まず知っておいてほしいのです。

血糖値の乱高下と「もっと甘いものが欲しくなる」しくみ

生理前に「とにかく甘いものが食べたい」という衝動が出てきたとき、チョコやスナックをまとめて食べてしまうと、血糖値が一気に上がります。
すると体はインスリンを急いで分泌して、血糖値を下げようとします。
ところが、このとき血糖値が急激に下がると、体は「もっとエネルギーが欲しい」というサインを出し始め、再び甘いものへの欲求が強まります。
これが「食べても食べても満足できない」「また食べたくなってしまう」という状態の原因のひとつです。

この血糖値の乱高下は、生理前の時期は特に起こりやすくなります。
頭では「もうやめよう」と思っているのに、体が「まだ足りない」と訴えてくる状態は、意志の問題ではなく、体の生理的な反応です。
だからこそ、「我慢しなかった自分がいけなかった」と自分を責めるよりも、このしくみを理解したうえで向き合っていくことが大切になります。

漢方から見る、生理前の食欲の乱れとPMS

漢方で大切にする「気・血・水」とは

漢方(日本の伝統医学)では、人の体と心の状態を「気(き)・血(けつ)・水(すい)」という3つの要素で捉えます。
それぞれをごく簡単に説明すると、こんなイメージです。

は、からだと心を動かすエネルギーのようなものです。
気が充実していると、活動的で前向きに動けます。
不足すると疲れやすく、元気が出ない状態になります。

は、全身に栄養を届けるものです。
西洋医学でいう「血液」に近いイメージですが、漢方では栄養を運ぶだけでなく、気持ちの安定にもかかわるものと考えます。
血が不足したり流れが滞ったりすると、肌の乾燥、疲労感、気持ちの不安定さが出やすくなります。

は、体の潤いと水分バランスを保つものです。
水の巡りが乱れると、むくみや重だるさ、体に余分な水分がたまりやすい状態になります。

気が滞ると、イライラや情緒の乱れが出やすくなります。
血が不足すると、落ち込みや不安感が強まることがあります。
水が滞れば、むくみや頭の重さにつながります。

また、気・血・水は、互いにバランスを取り合いながら体を支えています。
生理前は、ホルモンの変化によってこのバランスが特に揺らぎやすい時期とされています。
生理前の食欲増加のように、「いつもの自分とどこか違う」と感じるのは、このバランスの揺れが背景にあることも少なくありません。

胃腸が弱りやすい「脾虚」タイプの生理前の食欲

漢方には「脾虚(ひきょ)」という体質の考え方があります。
「脾」は消化・吸収を担う臓腑で、食べたものをエネルギー(気)に変える力を担っていると考えます。
この「脾」の力が弱りやすい状態、つまりエネルギーに変換する力が少し低下している状態を「脾虚」と呼びます。

もう少し日常的な言葉でいうと、「胃腸が疲れやすく、食べ過ぎや甘いものに弱い状態」ともいえます。
現代の生活では、不規則な食事・早食い・甘いもの・冷たい飲み物などが続くと、この「脾虚」の状態になりやすいといわれています。

脾虚タイプの方に生理前に出やすい傾向として、こんなものがあります。

  • 少し食べただけでお腹が張るのに、不思議と甘いものやパン・麺類が無性に食べたくなる。
  • 疲れるとすぐ横になりたくなる。
  • 冷たい飲み物や甘いお菓子が好きで、食後によく眠くなる。朝はなかなか動き出せない。

こういったサインが重なる方は、脾虚の傾向があるかもしれません。

生理前に食欲が乱れると、胃腸にさらに負担をかけることになります。
そのため、「食べるほど疲れやすくなる」「エネルギーが出ない、でもまた食べたくなる」という悪循環が起こりやすくなります。
体が疲れているのに、エネルギーを補給しようとして甘いものを欲するという状態が続くと、消化機能はさらに疲弊しやすくなります。
脾虚タイプの方は、この悪循環を断ち切るためのアプローチが必要になります。

ストレスや疲れで「気」や「血」が不足しているタイプ

現代に生きる多くの方は、仕事や家庭の責任、人間関係のストレスを抱えながら毎日を過ごしています。
こうした状態が続くと、漢方でいう「気」と「血」が消耗しやすくなります。

気が不足すると、体の中から元気が出てこない感覚になります。
気持ちが焦ったり、些細なことでイライラしたり、逆に落ち込みやすくなることがあります。
血が不足すると、集中力が落ちたり、気持ちが不安定になったり、肌や髪がくすみやすくなったりします。

こうした「気・血の不足」がある状態では、体が「手っ取り早く元気を補いたい」と感じて、甘いものへ強く引き寄せられることがあります。
頑張り屋さんほど、エネルギーを消耗する場面が多く、甘いものや炭水化物で「今すぐ元気になりたい」という衝動が起きやすいといえます。

これは「頑張れない性格」でも「自制心がない証拠」でもありません。
体が「もう限界に近い」というサインを出している、身体からのメッセージと捉えることができます。
生理前はこの傾向がさらに強まりやすく、甘いものへの欲求がとくに激しく感じられることがあります。

生理前の食欲と甘いもの欲に向き合う、今日からできるセルフケア

甘いものとの付き合い方と、おすすめの「間食の選び方」

「生理前は甘いものを一切禁止する」というアプローチは、多くの場合うまくいきにくいものです。
禁止することで欲求がかえって高まり、我慢の反動で一気に食べてしまうこともあります。
大切なのは「禁止」ではなく、タイミング・種類・量を工夫して、甘いものと上手に付き合っていくことです。

具体的には、こんな方法が参考になります。

空腹感が強くなる前に、少量の間食をとる習慣をつけましょう。
ナッツ類、ヨーグルト、チーズ、温かいスープなど、血糖値をゆるやかに上げる食品を選ぶと、甘いものへの衝動が出にくくなります。
「甘いものが食べたくて仕方ない」という状態になる前に、体を落ち着かせるのがポイントです。

チョコレートやお菓子を楽しみたいときは、食後すぐに少量を食べるのがおすすめです。
食後は血糖値がある程度上がっているため、空腹時に食べるより急激な血糖上昇が起こりにくくなります。
「食事の後のデザートとして少し食べる」というリズムをつくると、罪悪感なく楽しみやすくなります。

その場合も、毎日ではなく「週に何回まで」「この日に楽しむ」と決めておく工夫が大切です。
「食べてはいけない」ではなく「楽しむ日を決める」という考え方に変えると、気持ちが楽になります。

まとめると、

  • 空腹になる前に、ナッツやヨーグルトなどで小さくつなぐ
  • 甘いものは「食後に少し」楽しむ
  • 毎日ではなく「楽しむ日」を決める

といった工夫から始めてみるのがおすすめです。

食事のとり方・睡眠・リラックス習慣で「気血水」を整えるヒント

食事については、食べる順番を少し意識するだけでも変わります。
ご飯やパンから先に食べるのではなく、まずスープや野菜、たんぱく質から手をつけ始めると、血糖値の上がり方がゆるやかになりやすいです。
生理前は特に、胃腸が疲れやすくなる時期でもあるため、冷たいものより温かいものを選ぶ、消化の良い主食を取り入れる、という工夫が体への負担を和らげます。
味噌汁・雑炊・ポタージュスープのような「温かくてやさしいもの」を一品加えるだけでも、胃腸に対する気遣いになります。

睡眠については、睡眠不足が続くと、体が「エネルギーが足りない」と感じて甘いもので補おうとする傾向が強まります。
夜遅くまでスマホを見る習慣は、睡眠の質を下げるだけでなく、翌日の食欲の乱れにもつながりやすいことが知られています。
生理前は特に、意識的に睡眠時間を確保することが、食欲のコントロールにも関係してきます。

リラックスの習慣として、湯船にゆっくりつかる、深呼吸を3〜5回する、好きなアロマや香りをかぐ、軽くストレッチをするといった方法は、自律神経を落ち着かせ、気血水のバランスを整えるうえでも助けになります。
特別な時間をつくれなくても、寝る前の5分だけでも試してみてください。

これらのセルフケアは、「完璧にできなくて当然」という気持ちで取り組むのが続けるコツです。
全部を一気にやろうとするのではなく、できそうなことを一つずつ試していきましょう。
うまくいかない日があっても、それは当たり前のことです。

生理前の食欲を自分だけでコントロールできないと感じたら

市販薬や「我慢だけ」で乗り切ろうとするとつらくなる理由

「毎月のように生理前の過食で悩んで、気持ちが落ち込んだり自己嫌悪をくり返している」という方は、セルフケアだけでは限界を感じることもあるかもしれません。

もともとの体質が深くかかわっている場合、「今月こそ我慢しよう」と意志の力だけで乗り越えようとしたり、その場しのぎの市販薬だけに頼ったりしても、なかなか変化が起きにくいことがあります。
体質から整えていくアプローチなしには、毎月同じことが繰り返されやすいのです。

また、生理前の過食は「食べすぎ」という問題だけでなく、イライラ・気分の落ち込み・強い眠気・むくみ・頭痛など、PMSの他の症状とセットで起きていることがほとんどです。
食欲だけを切り離して解決しようとするより、こうした症状を全体的に捉えながら向き合っていくほうが、体への負担も少なくなります。

「婦人科に行くべきか迷っている」「どこに相談すればいいのかわからない」と感じて、一人で長く悩み続けている方がとても多いのが現状です。
そんな、どこに相談していいか分からず、ひとりで抱え込んでいる方にこそ、漢方相談という選択肢を知ってほしいと思っています。

当薬局の漢方相談でできること

当薬局(漢方薬・紫雲)では、PMSに伴う生理前の食欲や過食のお悩みに対しても、漢方相談をお受けしています。

とくに、
・毎月のように生理前の過食や甘いもの欲で自己嫌悪をくり返している方
・生活習慣を見直しても、生理前だけどうにもならないと感じている方
・食欲だけでなく、イライラや落ち込み、眠気、むくみも一緒に出てつらい方
には、漢方相談という選択肢がお役に立てるかもしれません。

相談の流れとしては、まずWEBまたはお電話で事前にご予約をいただきます。
初回の相談では、生理周期・食欲や体重の変化・睡眠の状態・お仕事や家事の状況・日常のストレスの感じ方などを、時間をかけて丁寧にうかがいます。
問診票や検査ではわかりにくい、日常の細かな変化や感覚も大切にしながら、お話をお聞きします。

うかがった内容をもとに、気・血・水のバランスや「脾虚」などの体質の傾向を整理しながら、その方に合った整え方(漢方と日常生活の工夫)を一緒に考えます。
「この体質だからこのような傾向が出やすい」というつながりが見えてくると、自分の体への理解が深まり、セルフケアにも生かしやすくなります。

漢方は、一度飲んですぐに変わるものではなく、数か月〜の時間をかけて、体質を少しずつ整えていくものです。
無理のないペースで、生理前のつらさと向き合っていくことを一緒に考えます。

生理前の食欲だけでなく、イライラや気分の落ち込み、むくみ、眠気など、複数の症状をあわせてご相談いただけます。
「これだけで相談してもいいのか」と迷う必要はありません。
毎月の生理前に食欲に振り回されてしまう方は、一人で悩まずに一度ご相談ください。

漢方相談のご予約は、予約フォームから24時間お申し込みいただけます。
まずは症状を簡単にお知らせいただくだけで大丈夫です。
あなたの体質に合った向き合い方を、一緒に探していきましょう。

PMS(月経前症候群)全体の症状や漢方の考え方はこちらで詳しく解説しています

他のPMSの症状で気になることがある方へ

生理前のイライラや気分の落ち込みがつらい方は、 生理前のイライラ・落ち込みとPMSについて解説したページ も参考になるかもしれません。

また、生理前にむくみや体重の増えやすさが気になる方は、 生理前のむくみ・体重増加とPMSのページ もあわせてご覧ください。

この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。