薬の副作用が怖い方へ|薬の「効き目」と「不安」の不思議な関係 プラセボ効果とノセボ効果とは

「この薬、また副作用が出るんじゃないか」
薬の説明書を開くたびに、心臓がドキドキしてしまう。
飲む前から、胃のあたりが重くなる。
そんな経験をお持ちの方は、決して少なくありません。

以前、鎮痛剤や精神科のお薬で、めまいや吐き気、だるさといったつらい副作用を経験された方の中には、薬そのものへの恐怖心が、症状が落ち着いたあとも長く残ってしまう方がいらっしゃいます。
次に薬を飲むとき、手が止まってしまったり、飲んだあとしばらく体の変化を観察し続けてしまったり。
そうした緊張状態そのものが、日々の負担になっていることもあるかと思います。

それは、決して気のせいでも、大げさなことでもありません。
むしろ、こころとからだがとても敏感に、そして正直に反応している証拠なのです。
今日は、そのつながりを表す「プラセボ効果」と「ノセボ効果」という現象について、できるだけやさしい言葉でお話ししたいと思います。

薬のプラセボ効果とは?効き目と安心感の関係

プラセボ効果とは、簡単に言うと「効果のない偽の薬でも、本人が効くと信じることで、実際に症状が和らぐことがある」という現象です。
たとえば、砂糖でできた錠剤を「痛み止めです」と伝えて飲んでもらうと、実際に痛みが軽くなる方がいる、といった研究結果が世界中で報告されています。
中には、頭痛や腰痛だけでなく、気分の落ち込みや不眠が和らいだという報告もあるほどです。

これは、決して「思い込みが激しいから起きる」というようなものではありません。
人が「これで楽になるかもしれない」と感じたとき、脳は痛みや不快感をやわらげる物質を分泌することが、これまでの研究でわかってきています。
安心感や信頼感そのものが、体にとって立派な治療的な働きを持っているのです。

お医者様や薬剤師との会話の中で、「大丈夫ですよ」「一緒に見ていきましょうね」と声をかけられただけで、少し気持ちが軽くなった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それもまた、プラセボ効果の一種だと考えられています。
言葉や関係性そのものが、からだに働きかけているのです。

つまりプラセボ効果は、体が素直に、安心という情報に反応しているだけなのです。
むしろ、こころとからだのつながりがしっかりしている証拠とも言えます。

ノセボ効果とは?薬の副作用と不安のつながり

プラセボ効果の反対にあたるのが、ノセボ効果です。
「この薬は副作用が強いらしい」「前に嫌な思いをしたから、また同じことが起きるかもしれない」
そう感じながら薬を飲むと、実際に頭痛や吐き気、動悸といった不調が現れてしまうことがあります。

これも、医学の世界できちんと研究され、正式に扱われている現象です。
決して珍しいことでも、特別なことでもありません。
むしろ、薬の説明書に細かく副作用が書かれているほど、それを読んだ人にノセボ効果が起こりやすくなる、という報告もあるほどです。
海外の研究では、同じ成分の薬であっても「副作用が出やすい薬です」と説明された場合と、そうでない場合とで、実際に体調不良を訴える人の割合が大きく変わったという例も知られています。

大切なのは、ノセボ効果は「気のせい」ではないということです。
不安な気持ちが、脳や自律神経を通して、実際の体の感覚としてかたちになって現れている状態です。
こころとからだが強くつながっている方ほど、こうした反応が出やすい傾向があります。
決して、我慢が足りないとか、大げさだということではないのです。

薬の副作用が怖い人ほどノセボ効果の影響を受けやすい?

「自分は体質的に敏感だから」「前につらい副作用を経験したから」
そうした理由があって、薬に対して不安を感じやすくなっている方は多くいらっしゃいます。
それは決して、弱さや気の持ちようの問題ではありません。

不安が強くなると、私たちの神経は、体の小さな変化にも敏感になります。
ふだんなら気にならないような胃のもたれや、少しのだるさ、ちょっとした動悸にも意識が向きやすくなり、それが「また副作用が出た」という感覚につながってしまうことがあります。
これは、体が危険を早めに察知しようとする、自然な防御反応でもあります。

特に、過去につらい経験をされた方は、体がその記憶をしっかりと覚えています。
同じような薬の名前を聞いただけで、体がこわばったり、飲む前から気分が落ち着かなくなったりするのは、決しておかしなことではありません。
それだけ、その時のつらさが本物だったということでもあります。

これは、あなたが悪いわけではありません
むしろ、こころとからだが一生懸命に、自分を守ろうとしてがんばっている状態だと考えていただければと思います。
過去のつらい経験を体が覚えていて、同じことが起きないようにと、今も警戒し続けているのです。
その頑張りに、まずはご自身で気づいてあげていただきたいと思います。

漢方では、こうした「こころとからだのがんばり方」も体質の一部としてとらえ、少しずつ負担を減らしていくお手伝いをしていきます。

薬への不安と上手につきあうための具体的なヒント

不安そのものをゼロにすることは、なかなか難しいものです。
ですが、不安との距離を少しずつ変えていくことはできます。
ここでは、日常の中でできる工夫をいくつかご紹介します。

まず、わからないことは遠慮なく質問することです。
薬の効果や副作用について、疑問をそのままにしておくと、不安はふくらみやすくなります。
「こんなことを聞いてもいいのかな」と遠慮せず、信頼できる専門家に、小さなことでも聞いてみてください。
質問すること自体が、不安を小さくする行動になります。

次に、インターネットで怖い情報ばかりを追いすぎないことも大切です。
検索すればするほど、不安な情報や、極端な体験談ばかりが目につきやすくなるものです。
気になったときは、情報を集める時間そのものを区切ってみる、あるいは信頼できる情報源をあらかじめ決めておく、といった工夫も効果的です。

また、今日の体調の変化を記録してみることもおすすめです。
「少しでも楽になった時間帯」「気分が落ち着いていた瞬間」など、悪かったところだけでなく、良かったところにも目を向けて書き留めていくと、自分の中の変化に気づきやすくなります。
不安が強いときは、どうしてもつらい感覚ばかりに意識が向きがちですが、小さな「楽だった瞬間」を積み重ねて見ていくことが、こころを落ち着けるきっかけになります。

プラセボやノセボのしくみを知っておくことは、自分の心の状態に気づくための、ひとつの手がかりになります。
「今、不安が強くなっているのかもしれない」と気づけるだけでも、感覚のとらえ方は変わってきます。
不安が強くなっているときほど、それに気づけること自体が、こころとからだをコントロールする、大切な第一歩になるのです。

漢方薬局がプラセボ・ノセボにどう向き合うか

当店は、不定愁訴やメンタルの不調のご相談を専門的に承っている漢方薬局です。
これまで、薬の副作用でつらい思いをされた方から、多くのご相談をいただいてきました。
「薬に頼ること自体が怖くなってしまった」という方も少なくありません。

私たちは、副作用のリスクを軽く扱うことは決していたしません。
必要な情報は、きちんとお伝えします。
そのうえで、「不安が強くなりすぎていないか」も一緒に確認しながら、お一人おひとりの体質に合わせて、漢方を調整していくことを大切にしています。

漢方では、体を「気・血・水」のバランスとしてとらえ、体質そのものを根本から整えていくことを目指します。
無理に症状だけを抑えるのではなく、こころとからだ全体を見ながら、少しずつ整えていくという考え方です。
同時に、こころの状態も含めてじっくりお話をうかがいながら、プラセボやノセボといった、こころとからだのつながりも視野に入れてご相談を進めていきます。

「以前、薬でつらい思いをしたので、漢方でも同じことが起きないか心配です」というお声もよくいただきます。
そうしたお気持ちも含めて、ひとつずつ丁寧にお話をうかがいますので、どうぞ安心してご相談ください。

不定愁訴や副作用の不安を、漢方相談で話してみませんか

薬に対する不安を抱えることは、決して恥ずかしいことでも、弱いことでもありません。
むしろ、それだけ真剣に自分の体と向き合ってきた証だと、私たちは思います。

どうか、その不安を一人で抱えたまま、がんばりすぎないでください。
当店では、不定愁訴やメンタルの不調について、これまでの経験も含めてじっくりお話をうかがう漢方相談を行っています。

まずは、簡単な症状のご様子だけでも構いません。
LINEで気軽にメッセージをお送りください。
これまで色々なところを試してうまくいかなかった方も、薬の副作用でつらい経験をされた方も、どうぞ遠慮なくご相談ください。

この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。