子宮腺筋症・子宮筋腫で子宮摘出を勧められた30代女性が、漢方で体質改善した2年間の記録

「生理のたびに、レバーのような塊がたくさん出て、正直びっくりしてしまう」
「生理痛だと思っていたのに、気づけば2週間近く、下腹部の鈍い痛みが抜けきらない」
「立ち上がった瞬間にクラッとして、健診のたびに貧血を指摘される」
「特別無理をしたつもりはないのに、午後になると疲れがどっと押し寄せて、眠くて仕方がない」
「もともとパニック障害やメニエール病もあって、生理の時期になるとめまいや動悸まで一緒にひどくなる」

もし今、こうした状態に心当たりがあり、なおかつ婦人科で子宮腺筋症や子宮筋腫と診断され、子宮の摘出を勧められているとしたら、頭の中は「本当に今、手術しかないのだろうか」という迷いでいっぱいかもしれません。
仕事や日々の生活を送りながら、経血の量や痛みと付き合い続けるのは、想像以上に体力も気力も消耗します。
それに加えて自律神経の不調まで抱えていると、「体全体として、これからどう付き合っていけばいいのか」という不安は、より大きく重くのしかかってきます。

今回ご紹介するのは、30代の女性が子宮腺筋症と子宮筋腫を抱えながら、病院から勧められた手術という選択肢の前で一度立ち止まり、漢方による体質改善という道を選んだ2年間の記録です。
同じような状態で悩んでいる方が、漢方相談とはどのようなものか、少しでもイメージを掴むきっかけになればと思います。

手術を勧められると、多くの方は「今すぐ決めなければいけない」というプレッシャーを感じてしまいます。
ですが、体質を整えながら経過を見ていくという選択肢があることを知っているだけでも、心の余裕は大きく変わってくるはずです。

子宮腺筋症・子宮筋腫で病院から「子宮摘出」を勧められたときに考えたいこと

子宮腺筋症は、本来子宮の内側の膜にあるはずの組織が、子宮の筋肉の層の中に入り込んでしまうことで起こる状態です。
子宮の壁そのものが厚く硬くなっていくため、月経量が増えやすく、経血の中に塊が混じりやすくなること、また生理痛が強くなり、期間も長引きやすいことが特徴として知られています。
子宮筋腫を合併しているケースも少なくなく、その場合はさらに出血量が増える要因になることもあります。

こうした状態が何年も続くと、体の中では気づかないうちに血液そのものが失われ続け、貧血がじわじわと進んでいくことがあります。
立ちくらみやフラつき、疲れやすさ、日中の強い眠気といった症状は、実は生理そのものだけでなく、こうした慢性的な出血の積み重ねが背景にあることも珍しくありません。
健診のたびに指摘される貧血の数値は、体からの静かなサインだといえます。

婦人科で子宮摘出という選択肢が示されることは、決して珍しいことではありません。
出血量や痛みそのものをコントロールするという意味では、確かに根本的な解決になり得る方法だからです。
ただし、手術そのものが悪いというわけでは決してなく、年齢や妊娠出産についての希望、これまでの体質、仕事や日々の生活スタイル、そして本人の気持ちの整理も含めて、ご本人が心から納得できる形で選択することが何より大切だと私たちは考えています。
すぐに決断したほうが良いケースもあれば、しばらく時間をかけて向き合ったほうが良いケースもあり、そこに一律の正解があるわけではないのです。

今回の方も、婦人科では子宮摘出を勧められていました。
ただ、子宮の症状が本格的に出始めてからまだ3〜4年ということもあり、「今すぐ子宮を取ってしまう」ことには、どこか踏み切れない気持ちがあったといいます。
年齢的にもまだ先の人生設計を考えたい時期であり、もともとパニック障害やメニエールという持病を抱える中で、大きな手術に体力面・精神面で耐えられるかという不安もありました。
そこでまずは、漢方によって体質そのものを整えながら、症状をコントロールしていく道を試してみることを選ばれたのです。

漢方から見た子宮腺筋症・子宮筋腫の体質像|瘀血・血虚・気滞という重なり

漢方では、子宮の症状だけを切り離して見るのではなく、血・気・水、そして心と体全体のバランスとして不調を捉えていきます。
当薬局の強みのひとつである糸練功によるチェックを通して見えてきたのは、大きく3つの体質の重なりでした。

まず目立ったのが、血の巡りが滞る「瘀血(オケツ)」の体質です。
生理の2〜3日目にかけて、レバー状の塊のような経血が多く見られること、へその下の左側にずっと鈍い痛みが生理中から2週間ほど残り続けること。
漢方の視点から見ると、これらはいずれも血が滞りやすい体質のサインとして捉えられます。
血の巡りが悪くなると、体のあちこちに滞りが生じ、それが塊になった経血や、刺すような持続的な痛みとして表面化してくるのです。

もう一つが、血そのものが不足している「血虚」の状態です。
健診で貧血を指摘されること、立ち上がった瞬間にフラッとすること、特に無理をしたわけでもないのにすぐ疲れて眠くなってしまうこと。
これらは、全身を巡らせるための血の量そのものが足りていないサインだと考えられます。
血虚があると、めまいや立ちくらみに加えて、集中力の続きにくさや、朝の起きづらさ、日中のだるさとして感じられることもあります。

そして三つ目が、気の巡りが滞る「気滞」です。
もともとパニック障害やメニエール病を抱えていたということは、自律神経のバランスがもともと揺らぎやすい体質であることを示しています。
仕事や生活のストレスが強くかかる時期に、めまいや動悸、耳鳴りといった症状と、子宮まわりの痛みや経血の量までもが一緒に悪化しやすい傾向も見られました。
血・気・水のどれか一つに原因を求めるのではなく、いくつもの不調が複雑に絡み合った、体全体のバランスの崩れとして捉える必要があったのです。

こうした体質は、どれか一つだけを見て説明できるものではありません。
瘀血によって血の巡りが滞れば、その分、体の隅々にまで新しい血が届きにくくなり、血虚の状態がさらに進みやすくなります。
そして血虚によって体力や気力が落ちてくると、ストレスへの耐性も弱まり、気滞が悪化しやすくなる。
血・気・水はそれぞれが影響し合いながら、一つの円のようにつながっているのです。
今回の方の場合も、子宮まわりの症状と、パニックやめまいといった自律神経の症状が、まったく別のものではなく、根っこの部分でつながっていると捉えることで、治療の方向性が見えてきました。

子宮腺筋症・子宮筋腫の漢方治療で、血と気を整えながら2年かけて症状を軽くしていった経過

治療の初期は、瘀血に働きかける煎じ薬をベースに、血を補う粉薬、そして気の巡りを整える粒薬を組み合わせるところからスタートしました。
まず目指したのは、レバー状の塊になっている経血や、へその下に長く残る痛みを和らげること、そして生理後に続く疲労感や強い眠気を軽くしていくことでした。
煎じ薬はじっくりと煎じて服用していただく必要があるため、最初のうちは手間に感じる部分もあったかもしれませんが、体質そのものに働きかけていくためには欠かせない工程でした。

治療を続けるうちに、少しずつ体の変化が現れてきました。
経血に混じる塊が目に見えて減り、生理痛が続く期間も徐々に短くなっていったのです。
立ち上がったときのフラつきも落ち着いていき、朝の目覚めや日中の集中力にも余裕が感じられるようになっていきました。
これまでは午後になるとどうしても強い眠気に襲われていたのが、少しずつ「無理なく一日を過ごせる」という感覚に変わっていったといいます。

ただし、体調の改善は一直線に進むわけではありません。
仕事が忙しくなる時期や、人間関係でストレスが強くかかる時期には、めまいやパニック症状が再び顔を出しやすくなることもありました。
そうした波に合わせて、気を整える薬をやや増やしたり、生理の前後で煎じ薬の量を微調整したりと、その時々の体の声に耳を傾けながら治療内容を細かく整えていきました。
決められた処方をただ機械的に続けるのではなく、体調の変化に合わせて柔軟に調整していくことこそが、漢方治療のプロセスそのものだといえます。

そうして症状が安定してくるにつれて、少しずつ薬の種類と量を減らしていく段階に入ります。
まずは粒の量を減らし、次に粉薬を減らし、最後に煎じ薬を減らしていくというように、粒薬、粉薬、煎じ薬の順に一つずつ卒業していきました。
急いで薬をやめるのではなく、体がその変化にきちんと耐えられるかどうかを一つひとつ確かめながら、段階を踏んで進めていったのです。
そうして最終的には、2年という時間をかけて、漢方薬をまったく使わずに過ごせる状態にたどり着きました。
結果を急ぐのではなく、体が変化していくペースに寄り添いながら歩んできた、じっくりとした2年間だったといえます。

この2年間を振り返ると、目に見える変化だけでなく、「今の自分の体はどんな状態なのか」を自分自身で把握できるようになったことも、大きな収穫だったのではないかと思います。
生理の前になると気が張りやすくなる、忙しい時期は特に血を補うことを意識したほうがいい、といった感覚を、ご本人自身がつかめるようになっていったのです。
漢方薬を卒業したあとも、そうした体の感覚は財産として残り続けます。

子宮摘出手術と漢方をどう考えるか ― 子宮腺筋症・子宮筋腫と自分の選択肢

この症例で目指したのは、「今すぐ手術を避ける」ことそのものではありません。
血と気のバランスを整えることで、経血の量や痛み、貧血によるだるさといった症状をコントロールしながら、ご自身の選択肢そのものを広げていくことがゴールでした。

漢方は、手術という選択を否定するためのものではないと私たちは考えています。
日々の体のコンディションを整えておくことで、将来もし手術という決断をすることになった場合にも、体が回復しやすい状態を保っておくことができますし、閉経までの時間を味方につけながら、症状そのものを和らげていくという役割を担うこともできます。
「手術か漢方か」という二択で捉えるのではなく、ご自身の体質やこれからのライフプランに合わせて、納得のいく選択を一緒に考えていくことこそが大切だと感じています。

子宮の状態そのものは目に見えるものではない分、不安が募りやすいテーマでもあります。
数値やエコー画像だけでは、経血の塊がどれくらい減ったか、体のだるさがどれくらい軽くなったかまでは分かりません。
だからこそ、体質を整えるプロセスを一つひとつ言葉にしながら進めていくことが、ご本人の安心につながっていくのだと思います。

また、漢方の治療は決して「即効性」を売りにするものではありません。
今回の方も、目に見える変化が現れるまでには数ヶ月単位の時間がかかっています。
短期間で結果を求めすぎないことも、漢方と付き合っていくうえで大切な心構えの一つです。
焦らず、体の変化を一つずつ確かめながら進めていくことで、結果として2年後には漢方薬なしで過ごせる状態にたどり着けました。

今のつらさが少しずつ和らぎ、生理の時期を気にせず友人と旅行の予定を立てられるようになったり、立ちくらみを気にせず満員電車での通勤ができるようになったり、午後になっても眠気に振り回されず、仕事に集中できるようになったりする。
そうした未来は、決して手の届かないものではありません。

子宮腺筋症・子宮筋腫、貧血やパニック・メニエールでお悩みの方へ ― 漢方相談のご案内

同じように子宮腺筋症や子宮筋腫、それに伴う貧血、あるいはパニック障害やメニエール病といった自律神経の不調を抱えている方に、漢方という選択肢があることを知っていただけたらと思います。
西洋医学と漢方、それぞれの良さを生かしながら、ご自身が心から納得できる形の治療を選んでいただければ幸いです。

藤沢市の漢方薬 紫雲では、子宮腺筋症や子宮筋腫といった婦人科のお悩みと、自律神経の不調をあわせて丁寧に伺いながら、糸練功を用いた漢方相談を行っています。

漢方相談のご予約はLINEからどうぞ。
じっくりお時間をとってお話をお伺いします。
長年のお悩みでも、どこに行っても改善しなかった経緯があっても、遠慮なくお聞かせください。
全国からのオンライン相談・漢方薬の配送にも対応しています。

この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。