自然の恵みをまるごといただく|一物全体という食養生の考え方

「皮をむいた方がきれい」「白いごはんの方が食べやすい」 

現代の食生活では、便利さや見た目の良さを重視するあまり、 食材の“本来の姿”を取り除いてしまうことが多くなっています。

そんな中で注目されているのが、「一物全体」という日本の伝統的な食の考え方です。 これは、ひとつの食材をできる限り丸ごと食べることで、命のバランスをそのまま取り入れるという思想。

東洋医学や漢方の「全体を整える」考え方とも深くつながっています。 

この記事では、「一物全体」の意味と、現代の食卓でできる実践方法をご紹介します。

【一物全体とは?】

 一物全体とは、「一つの食材を丸ごと摂ることで、その命の持つバランスをそのまま体に取り入れる」 という自然食の基本的な考え方です。

「皮・根・胚芽・骨・内臓」など、本来備わっている部分をできるだけ残して食べることで、 

・栄養バランスがよくなる

 ・消化のリズムが整う

 ・自然に近い形で体に入るため、負担が少ない

 といったメリットがあります。

【具体的な一物全体の例】 

・白米 → 玄米(ぬか・胚芽を含んだまま)

・にんじん → 皮ごと調理(皮にポリフェノールなど)

・小魚 → 頭・骨・内臓ごと(カルシウム・鉄・DHA)

・りんご → 皮ごと食べる(ペクチン・ポリフェノール)

・ごぼう → 皮をこすらず、土を洗い落とす程度

【漢方とのつながり】

 漢方では「全体でひとつの調和がとれている」という考えが基本です。 食材もまた、皮や種、根っこに大事な“気”や“精”が宿っていると考えられています。

一物全体でいただくことは、「自然と調和すること」「命の流れをいただくこと」とも言えます。

【注意点とポイント】

・農薬や添加物の少ない、できれば有機や自然栽培のものを選ぶ 

・皮ごと調理する際は、丁寧に土や汚れを落とす

・胃腸が弱い方は、消化しやすく調理する(柔らかく煮る、すりおろすなど)

【まとめ】

 一物全体は、「食材のいのちを丸ごといただく」というやさしい食の知恵です。 皮や根にこそ、見えない力が宿っていることもあります。

できるところから、今日の食卓に取り入れてみませんか? からだとこころの調和を、自然なかたちで育んでいきましょう。

📩 ご相談や体質に合わせた食養生のアドバイスも承っております。お気軽にご相談ください。

(効能効果には個人差がございます。当内容は同等の効果を保証するものではございません。あしからずご了承くださいませ。)