眠れない夜と急な不安に漢方という選択肢|50代女性の不眠・パニック症状の症例

眠れない夜が続いている方へ

「何があったわけでもないのに、急に不安で胸が締めつけられる。」
「夜になると頭が冴えてしまって、何時間経っても眠れない。」

そんな状態が続いているとしたら、どれほど消耗するでしょうか。

心と体は、ときとして私たちが想像する以上に深くつながっています。
日常の出来事がきっかけとなり、自律神経のバランスが大きく崩れることで、不安・不眠・パニック症状が一度に押し寄せてくることがあります。
今回は、そのような状態を経験された50代の女性の方のご相談をご紹介します。
個人差がある一例ではありますが、「自分に似ている」と感じる方の参考になれば幸いです。

来局時の状態。1ヶ月間、ひとりで抱えてきた重さ

ご来局くださったのは、50代の女性の方です。
それまでは体も心も比較的元気に過ごされていたとのことでした。
ところが、娘さんとのある出来事をきっかけに、急激な不安感に襲われるようになりました。

食事がほとんど喉を通らなくなり、夜も眠れない日が続きました。
さらに、音や声が気になってしかたない、現実感が薄れるような感覚も出てきました。
周囲の刺激に対して過敏になり、実際以上に強く感じてしまうような状態です。

そういった神経が過敏になったような症状も加わり、日常生活がままならなくなっていたとのことです。

「もう少し待てば落ち着くはず」と約1ヶ月間ご自身で様子を見ていたそうですが、状態が改善しないどころか、パニックに近い発作的な不安も出てくるようになり、ご来局を決意されました。

東洋医学的な見立て。乱れた「気」の流れを読む

問診と、当薬局で行っている気功を用いた体質チェック(糸練功)をもとに、東洋医学的な「証(しょう)」を確認しました。

身体の反応として現れる微細な変化を通して、気の偏りを確認していく方法です。

東洋医学では感情と身体は密接に関わっていると考えます。
気の巡りが滞ると身体も力が入り、こわばり、体に力が入ってこわばっていると中々リラックスできないということを経験したことのある方も多いのではないでしょうか。

この方の場合、娘さんとの出来事によって感情が大きく揺れ動き、気の流れが渋滞した状態と、その後、身体の力が抜けず気を整える機能が不安定になっている状態が重なっていると読みました。
不眠・強い不安感・過敏な神経症状は、こうした東洋医学的なアンバランスと合致するものでした。

処方の選択。なぜこの組み合わせだったのか

証に合わせて、気の流れを整える粉薬と、精神を落ち着かせる作用に優れた丸薬を組み合わせて処方しました。

漢方では「病名」ではなく「その人の状態」に合わせて薬を選びます。
同じ「不眠・不安」という症状であっても、気の滞り方、体力の有無、体全体の状態によって、まったく異なる処方になります。
今回は、滞った気を解放し、高ぶった神経を鎮め、全体のバランスを整えることを目標にした選薬でした。

糸練功による体質チェックは、こうした個別性の高い選薬を行ううえで大きな助けになっています。
気の乱れ方や体全体の反応を診ることで、その方に本当に合った処方に近づけることができます。

経過。服用初日から、眠れるようになった

お薬をお渡しして2日後、薬局に電話が入りました。

受話器の向こうから聞こえてきたのは、「これまでの状態からは考えられないほど楽になっています。」という声でした。
1ヶ月間、眠れない夜をひとりで耐えてこられた方が、その夜にようやく深く眠れた。
電話越しに、その方の安堵が伝わってくるようでした。

その後も、体の反応が安定するまで漢方薬を続けていただき、ご本人が「大丈夫」と感じられるところで治療を終了しました。
ここまでの経過は一例であり、効果の出方には個人差がありますが、体質とお薬が合致したときに漢方がもたらしてくれる変化の一端をお伝えできる症例でした。

考察。なぜ、これほど早く反応が出たのか

漢方薬は「ゆっくり効く」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。
もちろん、慢性的な体質改善には時間がかかることがほとんどです。
ただ、今回のように「強い刺激がきっかけで急激にバランスが崩れた」ケースでは、証が明確に出ているぶん、処方がはまったときの反応が速いことがあります。

体がもともと持っていた回復力が、適切な漢方薬によって引き出された、とも表現できます。
気の滞りに対してピンポイントで働きかける処方を選べたことと、体質チェックによって余分な迷いなく選薬できたことが、今回の早期の変化につながったと考えています。

同じような状態の方へ

「ある出来事から急に眠れなくなった」
「不安感が抜けない」
「パニックのような発作が起きる」

そうした状態をひとりで抱えていらっしゃる方は、決して少なくありません。
とくに、更年期前後で急に不安や不眠が出てきた方に多いタイプです

精神科や心療内科を受診されている方も、漢方との併用をご相談いただくことが可能です。
漢方は「気持ちの持ちよう」ではなく、体のバランスという視点からアプローチします。
どこへ行っても改善しなかったという経緯をお持ちの方も、ぜひ一度ご相談ください。

当薬局では、糸練功という気功ベースの体質チェックをもとに、その方の「証」を丁寧に読み解いた上で選薬しています。
煎じ薬(粉薬・丸薬含む)は、エキス剤とは異なる細かい調整が可能なため、体質に合わせた処方がしやすいという特徴があります。

ある日の朝、「昨夜はよく眠れた」と気づける日が来ること

その変化が、日常を少しずつ取り戻す入口になります。

ご相談はLINEからどうぞ

「眠れない」「不安が続いている」という状態でも、まずはLINEで症状を簡単に教えていただくだけでOKです。
どこに行っても改善しなかったという経緯でも、遠慮なくご連絡ください。全国からのオンライン相談にも対応しています。

パニック障害の漢方治療について、詳しくはこちらをご覧ください。

不眠と漢方の体質別アプローチについて詳しくはこちらをご覧ください。

この記事の著者・監修

漢方薬・紫雲 代表薬剤師 Kampo Shiun

  • 薬剤師(国家資格)
  • 漢方専門歴 20年以上
  • 気功実践歴 20年以上
  • 開局15年(2010年〜)
  • 漢方薬・紫雲 代表
  • 全国オンライン対応

神奈川県湘南エリアで漢方薬局「漢方薬・紫雲」を開局。 薬剤師として西洋薬の知識を持ちながら、20年以上にわたり漢方・気功の専門家として 多くの患者さまの体質改善に携わってきました。 「どこに行っても改善しなかった」「病院で異常なし、でもつらい」という方のご相談を 特に大切にしています。煎じ薬・氣功チェックを組み合わせた、紫雲ならではのアプローチで根本からの体質改善を目指します。

※ 本記事は薬剤師・漢方専門家の監修のもと作成しています。個別の症状についてはご相談ください。