腕と首のかゆみ、10年以上続いたアトピーが漢方で2年かけて卒業できた話

幼いころ、Aさんにはアトピー性皮膚炎がありました。
けれど小学校に上がるころには自然と落ち着き、中学・高校と肌のことをすっかり忘れて過ごしていたのです。

御本人も「もう治った」——そう思っていたようです。

最初の異変は、就職でした。
環境が変わったことでかゆみが少しずつ戻り始め、やがて職場を辞めて専門学校へ。
入学を境に症状はひと回り悪化しました。

さらに再就職後、仕事が多忙を極めた4〜5年前——かゆみはついにピークに達しました。

夜中に何度も目が覚めます。
かゆくて、かいて、また眠れなくなる。
夏は汗で、冬は乾燥で、季節が変わるたびに皮膚が悲鳴を上げました。
来店時、首と腕はかき壊しを繰り返したせいでボロボロの状態でした。

食事は3食和食。
胃に優しいものを食べると少し楽になる気がする、とAさんは言いました。
ただ週3〜4回のおやつは習慣になっており、運動はほとんどしていませんでした。
他の漢方薬局で黄連解毒湯と消風散を処方されていましたが、飲み忘れも重なり、効果はほとんど感じられなかったそうです。

皮膚を見た瞬間に、方向性が見えた

アトピーの皮膚には、その人の体の歴史が刻まれています。
乾燥の質感、赤みの広がり方、かき壊しの痕の深さ——

長年の経験を積むうち、皮膚を見た瞬間に「この方向性が合いそうだ」という感覚が生まれるようになりました。

Aさんの皮膚を確認したとき、使うべき漢方薬の見当はすでについていました。

その後、気功(糸練功)でお体の状態を丁寧に確認し、最初の見立てが合っていることを再確認しました。
煎じ薬・錠剤・粉薬を組み合わせた処方で治療を開始することに。

あわせてお伝えしたのは、おやつを控えることと、薬を飲み忘れないこと。
シンプルなことですが、アトピー治療において腸や胃への負担を減らすことは、決して小さくない意味を持ちます。

経過——2年間の記録

1ヶ月後 「少し楽になった気がします」

「少し楽になった気がする」——
Aさんからそんな言葉が出始めたのは、服薬を始めて1ヶ月が経ったころでした。
夜中に目が覚める回数が、少しずつ減っていったようです。
かゆみがゼロになったわけではありませんが、朝起きたとき、前夜どれだけ掻いたかが皮膚に刻まれている——そんな日が減り始めていました。

2ヶ月後 漢方薬を微調整へ

改善の手応えが、横ばいになりました。
体の変化が止まったとき、処方をそのまま続けるか、見直すかの判断が必要になります。
気功でお体の状態を再確認し、薬味(生薬の配合)を調整しました。

漢方の治療は、一度決めた処方を飲み続けるだけではありません。
体の変化に合わせて、細かく修正していくことが大切です。

3ヶ月後 再び上向きへ

体調が再び上向きになりました。
かゆみが落ち着いてくると、夜の眠りが変わります。
朝の目覚めが変わります。
Aさんの表情が、少しずつ明るくなっていきました。

1年後 悪化する時期に合わせて、さらなる微調整を

冬の乾燥と、仕事の繁忙期が重なりました。
症状がぶり返し、Aさんは少し落ち込んだ様子で来店されました。

しかし、こういった揺り戻しは、長期のアトピー治療では珍しくありません。
気功で体の状態を改めて確認し、炎症を抑える生薬を少量追加しました。
体はまだ治る力を持っている——処方の微調整が、それを引き出しました。

その後は順調に改善が続き、処方量も少しずつ減っていきました。
最終的にはお子様が飲むほどのわずかな量を1日1回。

そして服薬開始から約2年で、漢方薬を卒業されました。

今ある皮膚の状態を、正確に読むことが出発点

Aさんの治療で鍵になったのは、「皮膚を見た時点での見立て」と「気功による体質確認」が一致したことでした。

漢方薬が体質に合っているかどうかは、症状の見た目だけでは判断できません。
以前の処方で効果を感じにくかったのも、薬の方向性が体質にフィットしていなかった可能性があります。

当店では、外から見える皮膚の状態と、気功(糸練功)で読み取った体の内側の状態——
その両方を照らし合わせて処方を決めます。長引くアトピーの治療に、そのプロセスが欠かせないと考えています。

眠れる夜が、戻ってきた

2年後、Aさんは薬なしで夜通し眠れるようになりました。かき壊すことなく朝を迎えられる日常が、静かに戻ってきました。

病院や他の漢方薬局で改善しなかった方も、どうかあきらめないでください。
症状や経過をLINEで簡単に伝えていただくだけで構いません。
一緒に、健康な肌を取り戻す道を探しましょう。