お子さまが頻繁にまばたきをしたり、コホンと咳払いを繰り返したり、首を小さく振ったりする様子に気づいて、心配になっていらっしゃる保護者の方は少なくありません。
「風邪のせいかな」「ただのクセだから様子を見ていいのかな」と思っていても、症状が続いたり増えたりすると、だんだん不安が大きくなっていくものです。
このような、本人の意思とは関係なく体の一部が繰り返し動いたり、声が出たりする状態は、医学的には「チック」と呼ばれています。
多くのお子さまに見られることのある、決して珍しいものではない症状のひとつと考えられています。
とはいえ、実際に我が子にその様子が見られると、「このまま様子を見ていいのか」「病院を受診したほうがいいのか」「漢方は何か役に立つのか」といった、いくつもの不安が同時に浮かんでくるかもしれません。
この記事では、小児チックの基本的な知識から、受診の目安、病院での治療、そして漢方相談がどのように役立つ可能性があるのかまで、順を追ってご説明していきます。
- 1 実際の小児チックの漢方症例
- 2 小児チックとは?子どものまばたき・咳払い・首ふりのチック症状について
- 3 小児チックは珍しい?発症しやすい年齢と男女差・経過の特徴
- 4 子どものチック症状が強くなりやすい場面|緊張・睡眠不足・環境変化とストレス
- 5 小児チックで保護者がまず知っておきたいこと|叱らない見守り方と生活への影響
- 6 小児チックで病院受診を考えたいサイン|小児科・小児神経科・児童精神科への相談目安
- 7 小児チック・トゥレット症候群の診断と治療|病院で行われる評価と行動療法・薬物療法
- 8 小児チックを漢方でどう考えるか|神経の高ぶり・緊張しやすさと体質ケアの視点「肝は筋を司どる」
- 9 小児チックで漢方相談されることが多い子どもの体質|緊張・睡眠・胃腸・ストレスの特徴
- 10 小児チックで用いられることのある漢方薬の例|抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・桂枝加竜骨牡蛎湯など
- 11 小児チックの漢方相談で確認したいこと|症状の経過・生活背景・受診歴など
- 12 小児チックで漢方薬局ができることと、まず専門医の受診を優先すべきケース
- 13 小児チックに関するよくある質問Q&A|自然軽快・叱り方・漢方の併用について
- 14 藤沢の漢方薬局・紫雲の小児チック相談|店頭・オンラインでの体質ケアサポート
実際の小児チックの漢方症例
漢方相談の中でも、子どものまばたきや咳払いといった小児チックのご相談は少なくありません。
ここでは、当店にご相談くださったお子さまの症例を2つご紹介します。
症例①:6才男児|入学後に悪化した運動性チック
6才の男の子から、顔をしかめる、首や頭が動く、まばたきが増えるといった運動性チックの症状についてご相談をいただきました。
以前から多少の症状はあったものの、小学校入学というタイミングで回数が増え、保護者の方の心配も大きくなっていたとのことです。
漢方では、筋肉の異常な動きや過敏な反応は「肝(かん)」という概念と関係が深いと考えられています。
これは西洋医学にはない、東洋医学独特の見立てです。
糸練功(氣功)による体質チェックでも、やはり肝の反応が強く出ている状態でした。
そこで、肝を整える煎じ薬と、気の巡りを助ける丸薬を組み合わせて服用していただくことにしました。
服用を始めてしばらくすると、落ち着いて過ごせる時間が増え、表情にも変化が見られるようになったそうです。
お子さま自身も煎じ薬をがんばって続けてくださり、少しずつ笑顔が増えていったとのお話でした。
約1年ほどの相談を経て、無事に漢方を卒業されています。
症例②:9才男児|トゥレット症候群との診断も
顔をしかめるなどの運動性チックと、咳払いや鼻を鳴らすといった音声チックが混在しており、トゥレット症候群の診断も受けていた9才の男の子のケースです。
数年間経過を見守っていたものの改善の兆しが見られず、漢方治療を希望してご来店されました。
こちらも肝の反応が強く見られたため、肝を整える漢方を中心に、経過を見ながら薬方を調整していきました。
進級や環境の変化のたびに症状が一時的に強まる時期もありましたが、そのつど漢方薬の種類や量を見直しながら対応を続けています。
年齢を重ねるにつれて再発の程度も少しずつ弱まり、高校への進級という大きな環境変化の際にも症状が強まることなく過ごせるまでになりました。
6年という長い期間の相談でしたが、ご本人とご家族の努力が実を結んだ、印象に残るケースです。
小児チックとは?子どものまばたき・咳払い・首ふりのチック症状について
チックの代表的な症状
チックには、まばたきを繰り返す、顔をしかめる、首をふる、肩をすくめるといった体の動きに関するものと、咳払いをする、鼻を鳴らす、声を出すといった音に関するものがあります。
多くのお子さまが、こうしたクセのような動きから始まることが多いといわれています。
運動チックと音声チック
体の動きとして現れるものを「運動チック」、声や音として現れるものを「音声チック」と呼びます。
どちらか一方だけのお子さまもいれば、両方が同時に見られるお子さまもいます。
一時的なチックと長引くチック
チックの多くは、数週間から数か月程度で自然に軽くなっていくことが多いと考えられていますが、なかには1年以上にわたって続くケースもあります。
続く期間によって呼び方が変わることも、知っておくと状況を整理しやすくなります。
トゥレット症候群との違い
運動チックと音声チックの両方が1年以上にわたって見られる場合、トゥレット症候群という診断がつくことがあります。
名前を聞くと不安になってしまうかもしれませんが、これは症状の経過によって使われる医学的な分類のひとつであり、名前だけを見て過度に心配しすぎる必要はないと考えられています。
小児チックは珍しい?発症しやすい年齢と男女差・経過の特徴
よくみられる年齢
チックは4〜6才ごろに始まることが多く、小学校低学年から中学年にかけての学齢期に目立ちやすいといわれています。
集団生活が始まるタイミングと重なりやすいことも特徴のひとつです。
男の子に多いとされる傾向
チックは女の子よりも男の子に多く見られる傾向があると報告されています。
性別による現れやすさの違いがあることも、知っておくと安心材料のひとつになるかもしれません。
症状が強くなったり弱くなったりしやすい特徴
チックには、症状が強く出る時期と落ち着く時期を繰り返す「波」があるのが特徴です。
良くなったと思ったらまた出てきた、という経過をたどることも珍しくありません。
子どものチック症状が強くなりやすい場面|緊張・睡眠不足・環境変化とストレス
緊張や不安
運動会や発表会、新学期の始まりなど、緊張や気持ちの高ぶりを感じる場面で症状が目立ちやすくなることがあります。
疲れ・睡眠不足
体が疲れていたり、睡眠不足が続いていたりするときにも、症状が出やすくなる傾向があるといわれています。
環境変化やストレス
転園や転校、家族の変化、新しく習い事や塾が始まるといった環境の変化も、チックのきっかけになりやすいと考えられています。
「やめなさい」と言われることで強まってしまうことも
周囲が気づいて指摘したり、やめさせようとしたりすることで、かえって本人の緊張が高まり、症状が強く出てしまうことがあります。
悪循環になりやすいという点は、保護者の方にぜひ知っておいていただきたいポイントです。
小児チックで保護者がまず知っておきたいこと|叱らない見守り方と生活への影響
本人はわざとやっているわけではない
チックは本人の意思でコントロールできるものではなく、わざとやっているわけではありません。
この点を理解しておくだけでも、保護者の方の受け止め方は大きく変わってきます。
無理に止めさせようとしない方がよい理由
止めさせようとする働きかけは、本人にとって新たな緊張やストレスになり、かえって症状を強めてしまう可能性があります。
気づいても、あえて触れずに見守る姿勢が大切だと考えられています。
症状そのものより「生活への影響」をみる視点
チックの回数や強さそのものよりも、学校生活や友人関係、睡眠、学習などに支障が出ているかどうかという生活への影響を基準に考えることが大切です。
家庭での見守り方の基本
叱らない、必要以上に意識させない、安心できる家庭環境を保つことが基本になります。
特別なことをするというより、いつも通りの穏やかな関わりを続けることが、お子さまの安心につながります。
小児チックで病院受診を考えたいサイン|小児科・小児神経科・児童精神科への相談目安
症状が長期間続いている
数か月以上にわたって症状が続いている場合は、一度小児科などに相談してみることをおすすめします。
学校生活や友達関係に支障が出ている
からかわれてしまう、本人が症状を気にして学校に行きたがらないなど、集団生活に影響が出ている場合は受診を検討したいサインです。
痛みやけがにつながるような強い動きになっている
首を強く振る、体を大きく動かすなど、痛みやけがにつながる可能性がある強い動きが見られる場合は、早めに専門家に相談してください。
音声チックが目立ち、周囲が戸惑っている
声を出す音声チックが目立ち、周囲の子どもや大人が戸惑ってしまうような場合も、専門的な評価を受けておくと安心です。
不安・こだわり・ADHD傾向など「他の困りごと」も気になる
チックと合わせて、強いこだわりや不安、落ち着きのなさなど他の困りごとも見られる場合は、小児神経科や児童精神科など専門の外来に相談することも選択肢のひとつです。
小児チック・トゥレット症候群の診断と治療|病院で行われる評価と行動療法・薬物療法
まずは小児科などでの問診と経過観察
多くの場合、まずはかかりつけの小児科で症状の経過を確認しながら様子を見ていくことから始まります。
必要に応じた専門外来
症状が長引く場合や強い場合には、小児神経科や児童精神科といった専門外来への紹介が検討されることがあります。
心理教育・環境調整
本人や家族がチックについて正しく理解し、生活環境を整えていく「心理教育」も、治療の重要な一部と考えられています。
CBITなどの行動療法の存在
海外を中心に、チックに対する行動療法(CBITなど)の有効性も報告されており、日本でも取り入れる医療機関が増えてきています。
薬物療法が検討されるケース
症状が強い場合や、他の困りごとを併せ持つ場合には、薬物療法が検討されることもあります。
どのような治療が適切かは、専門医による評価のもとで判断されます。
小児チックを漢方でどう考えるか|神経の高ぶり・緊張しやすさと体質ケアの視点「肝は筋を司どる」
「神経の高ぶり」「緊張しやすさ」に着目する視点
漢方では、子どものチックのような症状の背景に、神経の高ぶりやすさや緊張しやすい体質があると考えます。
睡眠・食欲・便通・冷え・疲れやすさなど、体質全体をみる
症状そのものだけでなく、睡眠の質、食欲、便通、冷え、疲れやすさといった体全体の状態を合わせてみていくのが漢方の特徴です。
症状だけでなく、ストレス環境や性格傾向も踏まえて整えていく考え方
学校での様子や性格の傾向、家庭でのストレス環境なども含めて、そのお子さまに合った整え方を考えていきます。
チックそのものを「無理に止める」より、土台を整えていくイメージ
チックの動きそのものを無理に抑え込むというより、神経が高ぶりにくい体の土台を少しずつ整えていくイメージで相談を進めていきます。
「肝」という概念に注目します
五行の中の五臓にあたる「肝」は、昔から「肝は筋を司どる」と言われています。
特に標治では、この「肝」に対応する漢方薬を用いることが多いです。
同じ理由で、本態性振戦やパーキンソン病にも「肝」に対応する漢方薬を用いて治療します。
小児チックで漢方相談されることが多い子どもの体質|緊張・睡眠・胃腸・ストレスの特徴
神経が高ぶりやすいタイプ
怒りっぽい、興奮しやすいといった様子が見られるタイプです。
不安が強く緊張しやすいタイプ
新しい場面で固まってしまう、環境の変化に敏感といった傾向が見られます。
眠りが浅い・夜中に目を覚ましやすい
寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚めるなど、睡眠の質が気になるお子さまもいます。
胃腸が弱く疲れやすい
食が細い、お腹を壊しやすい、疲れやすいといった体質も、あわせて見られることがあります。
ストレスでお腹の症状や皮膚症状も揺れやすい
緊張やストレスによって、お腹の調子や肌の状態が揺れやすいタイプも少なくありません。
小児チックで用いられることのある漢方薬の例|抑肝散・抑肝散加陳皮半夏・桂枝加竜骨牡蛎湯など
実際の処方は、お子さま一人ひとりの体質を評価したうえで検討する必要があり、以下の内容だけで必ず改善するというものではありません。
あくまで一般的な位置づけとして参考にしていただければと思います。
抑肝散
小児の神経過敏や興奮しやすさ、夜泣きなどとの関連で語られることの多い処方で、チック症状への応用例も知られています。
抑肝散加陳皮半夏
抑肝散の内容に、胃腸の症状や吐き気などを伴いやすいタイプへの配慮を加えた処方です。
桂枝加竜骨牡蛎湯
不安や緊張、睡眠の浅さなどとの関連で用いられることのある処方です。
その他、体質に応じて検討される処方があること
このほかにも、お子さまの体質や状態に応じて、さまざまな処方が検討されます。
実際にどの処方が合うかは、体質を丁寧に見極めたうえでご提案しています。
小児チックの漢方相談で確認したいこと|症状の経過・生活背景・受診歴など
いつ頃から・どんなきっかけで始まったか
症状がいつ頃から、どのようなきっかけで始まったかをうかがいます。
どのような場面で症状が出やすいか
家庭、学校、習い事など、どのような場面で症状が出やすいかを確認します。
睡眠・食欲・便通・冷え・発汗など、普段の体調
睡眠、食欲、便通、冷え、汗のかき方など、普段の体調についても詳しくお聞きします。
園・学校での様子と、先生からの指摘の有無
集団生活での様子や、先生から何か指摘を受けたことがあるかどうかも大切な情報です。
小児科や専門外来の受診歴、現在の治療内容
これまでの受診歴や、現在受けている治療の内容についてもあわせて確認させていただきます。
小児チックで漢方薬局ができることと、まず専門医の受診を優先すべきケース
漢方相談が向いているケース
症状が比較的軽く、生活への支障もそれほど大きくない場合は、体質を整える漢方相談が向いていることが多いです。
医療機関と併用しながら相談したいケース
すでに病院での治療を受けているお子さまが、体質面のサポートとして漢方を並行して取り入れるケースもあります。
まず専門医の診断を優先してほしいケース
症状が強い場合や、他の困りごとを併せ持つ可能性がある場合は、まず専門医による診断を優先すると安心につながると考えています。
医療機関で診断していただいた後は、安心して体質を整えるサポートとしてお役立てくださいませ。
「自己判断で長引かせない」ためのメッセージ
「様子を見ているうちに数か月、数年が経ってしまった」ということのないよう、気になる段階で一度専門家に相談してみることをおすすめします。
小児チックに関するよくある質問Q&A|自然軽快・叱り方・漢方の併用について
チックは自然に治りますか?
多くの場合、数週間から数か月程度で自然に軽くなっていくことが多いと考えられていますが、経過には個人差があり、長引くお子さまもいらっしゃいます。
子どもに「やめなさい」と言わないほうがいいですか?
はい。指摘することでかえって緊張が高まり、症状が強まってしまうことがあるため、あえて触れずに見守ることをおすすめしています。
気になる場合は、ご家庭だけで抱え込まず専門家にご相談ください。
漢方は何歳ごろから相談できますか?
年齢による制限は特になく、未就学のお子さまから相談いただくことも可能です。
お子さまの様子に合わせて、無理のない形をご提案しています。
漢方を始めてから、どのくらいで変化をみていきますか?
体質やお子さまの状態によって差はありますが、まずは数か月程度を目安に、経過を見ながら相談を続けていくことが多いです。
病院の薬と漢方は併用できますか?
もちろん併用いただくことは可能です。
現在の治療内容を教えていただいたうえで、無理のない形でご提案いたします。
自己判断で治療を中断せず、必ず主治医にもご相談ください。
藤沢の漢方薬局・紫雲の小児チック相談|店頭・オンラインでの体質ケアサポート
初回相談で重視しているポイント
当店では、症状そのものだけでなく、いつ頃からどのように始まったか、日々の生活の様子、これまでの受診歴などを丁寧にうかがいながら、お子さま一人ひとりの体質に合わせたご提案を心がけています。
店頭相談・オンライン相談のご案内
藤沢の店頭でのご相談はもちろん、全国どこからでもLINEを使ったオンライン相談も承っております。
相談の大まかな流れ
まずはLINEで症状を簡単にお伝えいただくところから始まります。
その後、詳しいお話をうかがいながら、体質に合わせた漢方薬をご提案していきます。
費用の目安
初回相談は60分程度を目安に行っており、漢方薬代は体質やご相談内容によって異なります。詳しい費用については、ご相談の中で丁寧にご説明いたします。
ご予約方法
ご予約はLINEからが最もスムーズです。
LINEで症状を簡単に教えるだけでOKですので、まずは気軽にメッセージをお送りください。
どこに相談しても改善が見られなかったという経緯でも、遠慮なくお話しください。
お子さまが自分らしく安心して過ごせる毎日を、少しずつご一緒に整えていくお手伝いができればと思っています。
まずはお気軽にLINEからご相談ください。
