――藤沢の漢方薬局が考える「二つの物差し」と付き合い方
西洋医学と東洋医学は「物差し」が違うだけ
西洋医学と東洋医学に、どちらが上・下という優劣はないと考えています。ただ、見ている「物差し」が違うのです。
西洋医学は、検査数値や画像検査など、誰が見ても同じように判断できる客観的な指標を得意とします。一方で東洋医学(漢方)は、体全体のバランスや体質、こころの状態を含めた「その人の今の状態」を一つの物差しとして捉えていきます。
私の師匠は、よくこう言っていました。
「漢方は万能ではない。西洋医学の素晴らしい点、東洋医学の及ばない点もたくさんある。 それでも、漢方の力もまた捨てがたい。」
どちらか一方を選ぶのではなく、物差しの違いを理解して、それぞれの得意な場面で助けを借りる。それがいちばんだと思います。
この仕事を続けてきた理由や、師匠との歩みについては、こちらでお話ししています。
▶「なんとなく」が、天職になるまで。この仕事をしている理由。
費用と「時間」の現実を正直にお伝えします
一般的な保険診療と比べると、漢方薬局にははっきりした違いがあります。それは「費用」と「時間」です。
保険診療は、自己負担を抑えながら標準的な治療が受けられる、非常に優れた仕組みです。一方、当店のような自由診療の漢方薬局では、内容にもよりますが、最低でも1か月あたり2万円程度はかかる方が多いです。
また、漢方医学は体質を整えていくことを基本としています。慢性的な症状ほど、「とりあえず抑える」というよりも、体の土台をつくり直すイメージになるため、ある程度の時間が必要です。
「少なくとも数か月は、腰を据えて自分の体と向き合ってみよう」
「生活や考え方も一緒に見直していこう」
そういうお気持ちのある方にこそ、漢方薬は力を発揮すると感じています。
当店の体質チェックについて
当店では、問診だけでなく、気の流れや体質のバランスを含めた独自の方法をもとに、その方にとって最適な処方を煎じ薬でご提案しています。
「なんとなく不調だけど、原因がはっきりしない」
「体質から変えていきたいが、どこから手をつければいいかわからない」
そうした方の「体全体の地図」を一緒に描くところから、当店の相談は始まります。
病院と漢方をどう併用するか
今、実際に通われている方の多くは、病院の薬と漢方を併用しています。
大切なのは、「どちらか一方を選ぶ」という発想ではなく、それぞれの役割を理解して組み合わせることです。
まず病院へ、という場面があります。
突然の激しい痛み、息苦しさや胸の痛み、意識がぼんやりする、急な麻痺やろれつが回らない、短期間での急激な体重減少――こうした症状がある場合は、何よりも病院の受診を優先してください。
命に関わる病気が隠れていないかを確認する。その意味で、西洋医学の物差しは圧倒的に有利です。
そのうえで、漢方の出番があります。
「検査では異常はないと言われたけれど、つらさだけが続いている」
「いくつも病院を受診したけれど、どうしていいか分からない」
そういう方こそ、病院での診断結果を踏まえながら、漢方で体全体を整えていく流れがとても有効だと感じます。
体が整っていくプロセスの中で、結果として病院のお薬の見直しにつながる方もいらっしゃいます。ただし、その判断はかならず病院の先生と相談しながら進めていただくことが大切です。
生活の見直しについて
漢方は「薬」だけで完結するものではありません。睡眠・食事・日々の考え方や環境など、生活全体を一緒に整えていくことが、体質改善の土台になります。
生活の整え方については、別記事でくわしくお話しします。
▶ [リンク予定:漢方と生活習慣——体を整えるために見直したいこと]
まず、どこに相談すればいいのか
「今の自分は、病院に行くべきなのか、漢方薬局に相談してもいいのか」
最初の一歩で迷っている方は、とても多いと思います。
目安としては、こんなイメージです。
→ まず病院へ
急な激痛・高熱・息苦しさ・意識の変化・急な麻痺など、命に関わる可能性があるとき
→ 漢方相談も選択肢に
命の危険はなさそうだが、つらい状態が続いている
「検査は異常なし」と言われたのに困っているとき
病院で診断を受けたうえで、その結果を材料にしながら漢方で体を整えていく——そんな二段構えも、現実的でとても良い方法だと思います。
最後にお伝えしたいこと
当店には、「どこに行っても、なかなか楽にならなかった」「気づくと、いくつもの病院を受診していた」
そのような思いを抱えた方が、多様な症状でご相談にいらっしゃいます。
大切なのは、「もう仕方がない」とあきらめてしまう前に、ご自身の体や心と、あらためて丁寧に向き合ってみることだと感じています。
ご自身の人生を、少しでも心地よく、充実したものにしていくために、時間をかけて体を整えていこうとお考えの方は、どうぞ遠慮なさらずご相談ください。
今のご症状、LINEで一言お送りいただくだけで大丈夫です。
「どこから話せばいいかわからない」という方も、まずはお気軽にどうぞ。 どこに行っても改善しなかったご経緯も、遠慮なくお聞かせください。
